No.142, No.141, No.138, No.137, No.126, No.125, No.1237件]

作品概要

 世界の地下に、レコードが回っている。
 過去も、現在も、未来も――――
 すべての旋律が、そこに刻まれていく。

 歌、ダンス、ファッション。
 その三つが重なる時、世界の未来が動き出す。

 これは、光に焦がれた少年少女たちの物語。


作中用語
・メロディア
 メロディアは、物理的な別世界ではなく、同じ世界に存在している。具体的には世界の裏側、地下に存在するが、その存在を知っているものは少ない。知っていても、あくまでおとぎ話程度である。

 その世界は大きな蓄音機のような形をしており、地球が回るようにレコードが回っている。このレコードの上におとだまが存在している。
 このレコードはアカシックレコードの役割も担っており、おとだまはその身体を共鳴させることによって世界の記録をしているのだ。
 このアカシックレコードは、過去と現在のすべてを記録するだけでなく、未来の可能性も宿している。未来の可能性は未完成のメロディや空白の楽譜として記録されており、世界が調和を保つためには、この未来の音を紡いでいくことが重要だ。

 アカシックレコードには未完成の楽譜があり、シンカーたちのパフォーマンスによってそれが完成される。完成した旋律は未来の調べとして新たな調和を生み出すのだが、その一方で、不協和の旋律によって楽譜が消滅する危険性がある。これにより未来の可能性が失われ、世界に不調和が生じるのだ。

 そこで、シンカーたちのTrendSync Performは、未来の音を紡ぐための鍵となる。彼らのパフォーマンスや想いが未来の空白を埋め、新たな旋律をアカシックレコードに刻み込み、ステラ・ノーツは、その瞬間に発生する未来を繋ぐ力であり、観客や仲間の感情と響き合うことで、新たな音が生まれるのだ。
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・おとだま
 おとだまは、この世界の中心的なエネルギー源であり、音楽、ダンス、そしてファッションに宿る力を集め、世界の調和を保つ役割を果たしている。おとだまの力は、各人の感情や心の状態に反応し、特に純粋な心や他者を思いやる心に共鳴するため、感情や心の成長がパフォーマンスやその結果に直接的な影響を与えることができる。
 基本的には小さな音符の形をとっている。世界の観測者、私たちの良き隣人である。
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・トップシンカー
 この世界では、おとだまに認められることが最も重要な目的の一つのなる。おとだまに認められた者には、シンフォニック・ティアラを贈られる。ティアラは、1つだけ持ち主の願いを叶える力を持っているが、おとだまに認められることはそう簡単なことではない。強く、気高く、優しい心の持ち主のみが、ティアラを手にすることができるのだ。
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・シンフォニック・ティアラ
 音楽と感情の調和そのものを象徴するティアラ。トップシンカーだけが手にすることを許される、メロディアの祝福そのもの。
 ティアラは、音符や波紋を模した装飾が施され、中央にはハーモニーの結晶が輝いている。身につけると、虹色の光が淡く輝き、見る人すべての心に感動を与えるとされている。
 このハーモニーの結晶が、持ち主の想いを旋律として未来に刻み、願いを叶えてくれる。
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・不協和の影
 不協和の影は、メロディアのアカシックレコードに目をつけ、世界の破壊・または改変を狙っている勢力だ。
 組織というよりは、そういう事象に対する名称である。

 彼らは、自分たちの過去の痛みや絶望から歪んだ未来を望んでおり、そのためにアカシックレコードを改ざんしようとしている。
 シンカーたちの役割は、本来あるべき未来の可能性を守り、不協和音による破壊を阻止することだ。
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・レゾナンスマイク
 シンカーはそれぞれが特注のマイクを持っている。
 マイクは、毎月行われるオーディションで実力で手に入れるものであり、それが、少年少女をシンカーたらしめる証明になるのだ。

 このマイクのボタンを押し、トレンドフォージで刷られたカードに翳すと、シンカーに変身することが出来る。
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・変身共通口上
「レゾナンスマイク! スタイルコード、セット!」
「(任意のセリフ)」
「オン・ステージ!」
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・トレンドフォージ
 主にデザイナーが使う機器。カードを差し込み、デザインを描くと、そのまま印刷することが出来る。印刷されたカードはスタイルコードと呼ばれ、少年少女が変身するのを手伝ってくれるのだ。
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・スタイルコード
 デザイナーがトレンドフォージを使い印刷するカードのこと。デザイナーによってはカードに手書きすることもあるらしい。
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・ミラージュクロゼット衣装
 デザイナーが感情を強く強く込めることで、稀にミラージュクロゼットと呼ばれる衣装が生まれる。この衣装は、シンカーの不安や、緊張、その他負の感情を和らげる力がある。いつだってあなたの背中を押してくれるのは素敵な服だった。
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・TrendSync Perform
 トレンドシンク・パフォーム

「TrendSync Performは、ただの競技でもなければ、子供のお遊びでもない。」
「美しい歌が、リズムが、ファッションが、世界の未来を描きだす……、世界を動かすハーモニーにすらなる。」
「―――未来は、君次第なんだよ。」

 TrendSync Performは、この世界における最も重要な未来を紡ぐ手段であり、競技の名前である。歌、ダンス、そしてファッションが一体となり、世界を動かす強力な力を生み出すことができる。特に、シンカーたちが力を入れるのはステラ・ノーツである。

それらを生業にする人々のことを、トレンドシンカーと呼ぶ。略称はシンカー。
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・ステラ・ノーツ
「心音が奏でる輝きのリズムを、わたしたちは、ステラ・ノーツと呼ぶことにした。」
「ひとつの音が、無限の星空を描いていく……、わたしたちは、きっと星すら超えていける。」

 ステラ・ノーツは、シンカーの心が強く輝き、パフォーマンスに込めた想いが観客や仲間たちに完全に伝わったときに発動する。

 シンカーが動作や歌の中で発動条件を満たすと、観客席に「星のノーツ」が現れる。
 ノーツが星空のように散りばめられ、観客がそのリズムに合わせて参加することになる。
 ステラ・ノーツの完成は、観客との一体感が評価されるポイントとなるだろう。

 観客は、ライブのリズムやメロディに合わせて画面上に流れるノーツをタップする。そうすることで、ステラ・ノーツの演出が変化する。
 成功率が高いほど、シンカーたちのパフォーマンスに強力なエネルギーが追加されるが、タップミスやリズムのズレが多い場合、ステラ・ノーツは上手くいかないかもしれない。手拍子で誘導しよう。

「リズムに触れて、光と想いを届けるよ!」
「―――さあ、オン、ステージ!」
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・トレンドシンク・グランド・ステージ
 TrendSync Grand Stage
 この名称は、シンカーたちが「ティアラ」を目指して競い合う、年間最大規模のライブイベントを表している。

 トレンドシンク・グランド・ステージは、1年を通じて各地で行われる予選やステージの集大成であり、すべてのシンカーが目指す頂点の舞台。ライブの主旨は、「TrendSync Perform」のすべてをシンクロさせ、最も輝くシンカーが世界を導く」 というもの。優勝者は、シンボルである「ティアラ」を授与されるとともに、シンフォニック・ティアラを手にする権利を得られる。

 これらは、地方予選、全国予選、そして最終決戦のグランドステージ、という3段階で行われ、それぞれのステージで異なる課題曲やテーマが提示され、参加者の多彩な表現力が試される。

 ステラ・ノーツの成功やライブの感動は、会場の観客や視聴者のリアクションによってポイント化される。ファンの応援が結果を左右する仕組みが追加され、観客とシンカーの一体感がより高まる。

 最終決戦では、トップ5に選ばれたシンカーがシンフォニック・ティアラを賭けてTrendSync Performをすることになる。
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登場人物
○主人公サイド
・夕空翼
 ゆうぞら つばさ
 一人称:ボク 二人称:きみ、あんた 〇〇ちゃん / さん 性別:男 年齢:17

 主人公。
 小さくて華奢なので女の子にしか見えないが男。ツンデレに見えるが基本的には素直。と言うよりは、意図的にデレを作っている。また、可愛いものが大好きであるが、基本的には隠している。男としてのなけなしのプライドである。

 姉がいる。姉の夢は、トップシンカーになり、シンフォニック・ティアラを手に入れることだった。彼女の夢を応援していた。一緒に歌った。一緒に踊った。なのに、不協和の影の活動のせいで、彼女は夢を叶えられなくなった。

 翼は、それを代わりに叶えるため、トップシンカーを目指している。
 いつか背が伸びて、大きくなって、かっこいいトレンドシンカーになるのが今の夢だが、現実問題背が伸びる気配はないのである。
 そのため、幼馴染である結城桃音に提案されて、多少葛藤しながらも女装シンカーとして活動することになる。


「ボクは夕空翼。よろしく。……なあに、そんなにじろじろ見て。『噂通り小さくてかわいいですね』? うるさーーーい! 誰だそんな噂流してんのは!!」
「桃ちゃんだって可愛い、ってボクは思うけど、でも桃ちゃんはそれを受け止めきらないんだと思う。だけどボクは知ってるもん。桃ちゃんが頑張り屋さんでかっこいいのも、好きなことに一直線で可愛いとこも」
「朱希〜、ちょっと付き合ってよ。は? 何って、分かってるでしょ。買い物! 荷物持ちがいるんだよ、なんか奢ってあげるからさ!」
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・夕空奏海
 ゆうぞら かなみ
 一人称:わたし 二人称:あなた 〇〇ちゃん / さん 性別:女 年齢:19
 翼の姉。背が高く、美人だった。不協和の影のパフォーマンスに影響され、心を壊してしまった。
 今はベッドの上でぼんやりしていることが多い。ご飯は食べてくれるようになった。

 将来の夢がトップシンカーだった。理由は単純で、白露夢菜のことが好きだったからだ。彼女と同じティアラが被りたかった。
 彼女がトップシンカーになる前から、長いことファンをしていた。トップシンカーになったと聞いた日には泣きながら喜んだし、心から祝福した。いつしか、自身もトップシンカーを目指すようになっていた。

 翼のことも大切にしており、彼の声が好きだった。できることなら一緒にステージに立ちたかったのだが、その夢は未遂に終わる。
 今でも、翼がそばで歌うと少しの反応を見せることがある。

 奏海が翼をトレンドシンカーに誘ったのは彼に才能があるのを知っていたからである。自分はダンスも歌も精一杯でちっとも楽しくなんてないのに、彼が下手でも楽しく歌って踊っているさまを誰より近くで見ていたから。

 それでも悟らせないよう明るい言葉を吐き続けた。吐いた言葉はいつか、自分の味方になってくれると信じていた。
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・結城桃音
 ゆいしろ ももね
 一人称:私 二人称:あなた、〇〇ちゃん / くん 性別:女 年齢:17

 夕空翼の幼馴染。男子生徒からの人気が高く、一部女子からやっかみを受けている。が、基本的に無害で優しいので、話したことのある人は彼女のことを好きになるのだ。

 普段の勉学に追加して家で服飾デザインを学んでおり、こっそりとデザイナーを目指している。

 両親が非常に厳格な人たちで、彼女に対して「完璧であれ」というプレッシャーを彼女に与え続けてきた。
 幼い頃から親に褒められることはほとんどなく、「もっと頑張れ」「まだ足りない」と言われてきたため、成功しても「まだ足りない」と感じてしまう。そんな中で、衣装やファッションが人を元気づけたり、変身させたりする力に魅了されていた。
一度だけ、褒められたことがある。彼女がデザインした服を見て、可愛いじゃない、と。ただそれだけだ。それだけを、大切に心に抱えて、それ以来、デザインにだけは自信が持てている。
 両親としては、趣味としてならまあ、という感じで認めているだけであるのだが。
 「可愛い服は心の鎧になる」という信念を持っている。

 翼がかわいいものが好きだと知っている。彼のことを世界でいちばん可愛いと思っており、自慢の幼馴染だと思っている。対して、自己評価が少し低い側面がある。

 翼のことも、姉のことも、ずっと見てきた。なのに、何もしてやれなかった。何も出来なかった己のことがあまり好きではない。それでも、やっぱり胸を張って隣にいたいから、翼のデザイナーになると決めた。デザインを学びだしたのはそれからでもある。

 翼のことが大好き過ぎて朱希のことを雑に扱いがちだが、彼女にとっても朱希にとってもそういうコミュニケーションだ。桃音にとって、なんだかんだ困った時に頼るのは朱希であり、翼ではないのだ。

「私は結城桃音。よろしくね! ……うん? ああ、そう、これはデザインの本。もしかして……貴方もこういうの、興味あるの!?」
「……は、はしゃぎすぎて喋りすぎちゃった……ごめんなさい、私の周りにこういうの興味ある人あまり居なくて。嬉しかったの、ここでのことは良かったら内緒にしておいてくれる? ふふ、また会えたら話しましょ」
「ゆうちゃんは世界でいちばん可愛いんだから! 私が世界で一番最初のファンなの。ふふっ、素敵でしょ?」
「朱希!え?今日も人気だねって? ……そう? まあいいや、それで? 何か用があった?」
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・正城朱希
 まさき あき
 一人称:俺 二人称:君、お前 〇〇さん / 呼び捨て 性別:男 年齢:17

 翼と桃音の幼馴染。桃音には少々雑に扱われがちだが、それをあまり不快には思っていない。頼られているからだ。

 翼と桃音と共に過ごしてきたため、トレンドシンカーには興味が無いがトレンドシンカーへの知識だけがそれなりにある、というのは建前。元々ダンスを習っており、それに伴ってトレンドシンカーになりたかった。しかし、彼自身の思い出したくない記憶として、同じくダンスを習っていた友人にボロ負けしたことがあり、それ以来、同じ想いをしなくても済むようにとトレンドシンカーになることを諦めた過去がある。
 彼とは、ライバルだったのだ。でも、本当にたまたま調子が悪くて、うまく踊れなかった。――緊張していたのだ。柄にもなく。
 それは、親にダンスを辞めさせられるかもしれないという恐怖からだった。
 ダンスが好きだ。歌うことは得意じゃないけど、好きだ。いつかトップシンカーにだってなりたい。そんな話を親にした、後日、両親はこんな話をしていた。――やめさせるべきなのではないか、と。
 実際には応援するという形でまとまった話し合いの、断片的な部分だけを聞いてしまった。焦った脳は実績を残さなければならないと解を出し、そのまま練習に明け暮れた。
 彼の、失望したような顔をよく覚えている。
 また失敗して同じ思いをしたくなくて、もう、全部を諦めることにしたのだ。

 翼の姉のことが密かに好きだった。傷ついてなお夢を語る彼女はいやにまぶしかった。それと同時に、同じところに来てくれればいいのにと思っていたのも嘘じゃない。そんな自分が嫌いだった。今はもう昔の話と心に閉まっている。
 音楽に強く関心があり、作曲が趣味だった。優とはそれ繋がりで知り合っている。

「俺は正城朱希って言うんだ。君の名前は?」
「お前、翼に喧嘩売って桃音に嫌われたってマジ? はは! バ〜カ、あれだけ止めたじゃん。まあそれがなくてもアイツらそういうのに興味ないと思うぜ、シンカーだもん」
「俺もシンカーになりたいんだけど……今から始めるのって、遅いかな」
「俺がお前たちの前に立てなくて誰が立つってんだよ!」
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○トップシンカーたち
・白露夢菜
 しらつゆ ゆめな
 一人称: 私(わたし) 二人称: あなた、〇〇さん 性別:女 年齢:20

 穏やかで優しさに満ちた女性。人一倍他者に気を使い、周囲の人々を和ませる力を持っている。どんな時でも冷静で落ち着いており、困難な状況でも感情的にならずに、周囲をリードしながら解決に導くことができるタイプ。おっとりした印象を与えがちだが、実は芯が強く、内面では大きな責任感と優れた感受性を持っている。

 彼女は他者の気持ちを理解し、共感することが得意で、シンカー活動においてもその「心の柔らかさ」と「思いやり」がファンや仲間に深い感動を与えているようだ。

 かつてトップシンカーとしての地位を確立し、今もなお現役で活動を続けている。彼女はその穏やかな性格ゆえに、トレンドシンカー業界での激しい競争には向かない部分もあったが、逆にその優しさと真摯な態度で、ファンやスタッフに愛され続けている。彼女は一度も過度に派手なパフォーマンスをしたことはなく、その代わりに、穏やかで心に響く歌声やダンスで人々の心を打ってきた。

 なお、デザインは壊滅的。作曲は昔は人に頼んでいたが今は一人でやっている。

 麗奈とは昔、親友だった。夢菜にとって、彼女は同じ才能を持った仲間だった。
 夢菜には、才能があった。誰もが羨む才能があることで、妬み嫉みは日常茶飯事だった。「自分を理解してくれる人がいない」と孤独を感じていたのだ。
 また、「完璧であること」を求められるがゆえに、仲間たちのペースに合わせることが苦手だと悩んでいることもあった。そのため、結果的に「自分のやり方でやればいい」と孤立することも多かった。

 だから、初めてだったのだ。それに着いてきてくれる人ができたのは。
 でも、麗奈がトップシンカーを目指していたことを知りながら、夢菜は先にその夢を叶えてしまった。麗奈を置いて。

 それが麗奈の心を壊してしまったこと、麗奈のそばに居てやれなかったこと、何も解決してやれない無力な子供だったこと。
 彼女はずっと、後悔している。

「白露夢菜です、みなさん、こんにちは。今日は楽しんでいってもらえると嬉しいわ。」
「あら、愛、そんなことを言ってはダメよ。もっと優しく接してあげて?ほら、みんな不安そうだわ。ごめんなさいね、彼女はシンカーとして戦うことの恐ろしさをよく知っているの。」
「ふふ、助けに来たわ。間に合ったようで何より」
「……あなたには、負けない。」
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・赤羽根愛
 あかばね あい
 一人称: 私 / あたし 二人称: あなた、あんた、〇〇さん 性別:女 年齢:18

 デザイナー。どんな衣装も創れるが、最近はあまり表舞台では見かけない。
 沢山のオファーは来るが、今はシンカーとタッグを組むことも白露以外とはしていないらしい。

 実はその昔、伝説と呼ばれていたデザイナーの娘である。このことは世間から隠している。
 親は、この世界には存在しない、シンフォニック・クラウンを探しに旅立ってしまったきり帰ってこないからである。自分は自分、親は親。そう切り離して欲しい、と彼女は願った。
 だから世間には公表していない。それでもデザインに血筋は感じられるのか、そうでは無いのかという噂は後を絶たない。

 親が失踪した時、そばにいてくれたのが夢菜だった。「伝説のデザイナー」が消えたことにより、周囲の人間からの期待は愛に一身に注がれたが、夢菜だけが普通に接してくれたのだ。
「気にしないで。愛は愛、あなたはあなた……。周囲の期待が煩わしいのね。それなら貴方も消えてしまえばいいの。少し休みましょう、幸い、あなたの両親は、あなたのことを公表していないわ」
 夢菜はそう言った。彼女の家族は、行く宛てのなかった愛を匿ったのだ。
 それもあって、夢菜に大きな恩を感じている。

 学校には行っているが、クラスまでは上がらず、普通科目だけをかろうじて学んでいる状態である。

 主人公たちには絶対に懐かないが夢菜の言うことだけは絶対に聞く猫ちゃん。

「私は愛。べつによろしくなんてしないけど。」
「夢菜、余計なこと言わないで……ああもう!」
「あたしはっ、親のことなんて全く知らない!もうあたしはあたしなんだってば、ほっといて!」
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○ライバルサイド
・月見里朧
 つきみさとおぼろ
 一人称: 私 二人称: 君、あなた、〇〇さん 性別:女 年齢:16

 日和と比べて、口数の少ない少女。饒舌では無いが、寡黙でもない。
 笑顔があまり得意ではなく、クールな表情が多め。ソロの時はファンの、ユニットの時は日和の騎士として活動している。

 小さい頃にやったおままごとの延長線の感覚でシンカーをやっている。トップシンカーになる、という程の情熱は一人の時は全く無いが、日和がなりたいと言うので2人の時は特に頑張っている。ソロライブの時の手の抜き方が巧み。そこをファンに切り取られ、日和のことが好きすぎて可愛いと呼ばれていることを知っているので直すつもりは無い。

 二人は幼い頃に両親を事故で失い、祖父母に育てられた。朧が日和の面倒をずっと見てきたため、自然と「お姉ちゃんが守る」という関係性が築かれた。
 朧は「私が日和を支えないと」と強い責任感を抱いている。

 歌が天才的に上手いので、難しい曲や、歌唱力が生かされるものを宛てがわれることが多い。
 彼女にとって夢は頑張って辿り着くものではなく、ただそこにある結果である。しかし彼女の夢はトップシンカーではなく、日和がずっと笑顔でいることだ。

「……ん、私?朧です。……苗字? 日和と一緒だよ。月見里朧。」
「日和が出来るって言うなら、……うん、私も出来るよ。でも日和ができるって言ってくれないとできないから。いっぱい言って」
「大丈夫、日和。私に任せて。……私は、日和の騎士だから。」
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・月見里日和
 つきみさとひより
 一人称: 私 二人称: 君、あなた、〇〇ちゃん / くん 性別:女 年齢:16

 朧と比べておしゃべりな女の子。元気で強気。
 「可愛いは最強」をモットーにしているので、柔らかな見目に反して強気な表情が多め。かなりの努力家で、ファンからは「成長コンテンツ」と呼ばれている。それが逆にプレッシャーになることもある。

 おままごとの延長などではなく、本気で夢に向かって走っている。トップシンカーになって、本当にお姫様のような生活をするのが夢。もちろんその時は朧を王子様にしてあげてもいいのよ? 姉妹なのにって? 妹がお姉ちゃんを大好きで何が悪いのかしら!
 朧と比べてしまうと歌もダンスも下手と言わざるを得ないが、それでも平均以上の実力はある。

 本当は、姉に依存する自分の存在を自覚しているが、寂しいので、変わろうとまでは思えていない。このままでいいのだろうか、という漠然とした不安だけがただそこにある。

 いつか絶対姉に追いついて、胸を張って隣に立って、エスコートしてもらうのだ。

「お姉ちゃんっ、自己紹介する時は苗字も! ……はあ、出来るなら最初からちゃんとしなさい!」
「はあ?……いつだって緊張するよ、お姉ちゃんの隣に立つのは! お姉ちゃんってばなんでも上手に出来ちゃうんだもん、歌だってダンスだって上手いし……、いやいやいや、私も負けないんだから!見てなさい、あなたには絶ッ対に勝つんだから!」
「朧の隣に立つのは私しかいないんだって、証明してやるのよ。私は……朧のお姫様なんだから!」
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○不協和の影サイド
・明嵐麗奈
 めあらし れいな
一人称:私 二人称:貴方 呼び捨て / ○○さん 性別:女 年齢:20

 かつて、誰もが憧れる才能を持ったトップシンカー候補であり、白露夢菜の親友であった。
 幼い頃から歌やダンスの才能を持ち、次世代のトップシンカーと期待されていた。
 しかし、隣にはいつだってさらに優秀で、恵まれた少女がいた。白露夢菜である。
 最初は誇りに思っていた。思っていたのだ。
 麗奈の家族は、トップシンカーになることを認めてはくれなかった。
 だから、歌とダンスの練習を止められた。ようやく再開して、オーディションに行っても、トップシンカーにはなれない。
 ――――そう、既に麗奈よりも、もっと沢山の努力を重ねてきた、夢菜が居たから。
 それからだ。

 諦めることにした。諦めれば傷つかずに済むからだ。両親の言う通り、普通に、堅実に生きることを決めた。でも諦められなくて、なんとかならないかと探って探って、出会ってしまった。

 おとだまには記録を消す力もある。
 麗奈はこの力を利用し、恐怖でおとだまを支配することで、自分の「夢を叶えられなかった過去」を消そうとしている。過去を消し去ることで、「トレンドシンカーを目指した麗奈」は存在しなかったことになり、代わりに「家族に応援されながら夢を叶えた麗奈」という新たな歴史が生まれると信じている。

 記録を消すということは、それに紐づいた「人々の記憶」も消えることを意味する。
 もし過去を消してしまえば、現在の麗奈自身も「存在しなかった」ことになり、
 それだけでなく、彼女と関わった白露夢菜、七夜蒼井、両親、その他大勢すら影響を受ける可能性がある。

 しかし麗奈は 「それでもいい」 と考えている。
 夢を手放すくらいなら、消えてしまった方が楽だ。

 夢だなんて甘いものを語って聞かせておきながら、それを叶えさせてくれる世界じゃなかった、ということに強い恨みを抱えるようになった。全て、全ては世界が悪いのだ。

「蒼井、……私について来てくれるのよね?」
「夢菜。あなたの歌は、今でも好きなの。こんなに好きなのに、こんなに、聞いてると、苦しくて、聞きたくなくて、涙が出るの。どうして? でもね、きっと私と同じひとはたくさんいる。私は知ってるの」
「……だから。この場で私を救うの、ねえ、夢菜。あなたには分からないでしょう。」


〇アカシックレコードの書き換え
 メロディアのアカシックレコードは、世界の「音の記録」であり、過去・現在・未来の旋律を刻んでいく。麗奈は、おとだまの「記録を消す」力を利用することで、自分の過去を上書きしようとしている。

 おとだまは、人々の「想い」が強く込められた旋律によって記録を更新する性質を持つ。
特に、 「感情のエネルギー」が極限まで高まった旋律は、アカシックレコードそのものを書き換えるほどの影響を持つ。

 麗奈は、「絶望」と「渇望」から生まれる強烈な旋律を作り出し、メロディアに影響を与えることで、自分の 「夢を叶えられなかった過去」 を消し去り、「家族に応援されながら夢を叶えた麗奈」という新たな歴史を刻もうとしている。

 本来、アカシックレコードは「調和の旋律」で構成されている。しかし、不協和の影が作り出す「歪んだ旋律」は、その記録を 破壊し、塗り替える力 を持つ。
麗奈は、この「不協和の旋律」を最大限まで増幅し、「世界の秩序を歪ませるほどの影響」を与えることで、過去の記録を上書きしようとする。

 これは単なる「過去の改ざん」ではない。
 過去を変えた時点で、それに関わる全ての人々の記憶、歴史、関係性が影響を受け、 現在の世界そのものが変化してしまう。

 アカシックレコードを書き換えるには、 未来の旋律を犠牲にする必要がある。
 なぜなら、「新しい記録を刻むこと」と「過去の記録を書き換えること」は、本来は相反する行為だからだ。

 麗奈が「過去を変える」ことに成功した場合、彼女が夢を叶えた歴史が新たに生まれる一方で、 「現在の麗奈」や「彼女が関わった全ての人々」も影響を受け、今の自分を失うことになる。

 つまり、 「過去を書き換えるために、現在と未来を犠牲にする」 ことになる。
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・七夜蒼井
 ななや あおい
 一人称:おれ 二人称:おまえ、呼び捨て 性別:男 年齢:19
 中学の時、家族を事故で失った。交通事故だった。
 自身が映画館に行きたいと頼んで車を出してもらった先のことだった。
 自分だけ、生き残ってしまった。でも、周りの誰にもその気持ちを理解されなかった。その孤独の中で、そのうち音楽にすがるようになった。

 シンカーがこの世界の未来を守っている。この世界では当たり前に信じられているおとぎ話だった。あまり興味はなかったので、詳しくは知らなかったが。
 こんな世界を守るなんて、と思った。歌う意味も、踊る意味も、分からなかった。
 でも、綺麗だと思った。それが嫌で、みんな居なくなればいいのに、と思った。

 そうして鬱々と日々を過ごしている間、世界を滅ぼす力すらを持った物質のこと、それを音楽で左右できること、不協和の影のことを知った。
 面白そうだ。
 そう思って麗奈に連絡した。麗奈は、彼にとって初めて自身の孤独を分かち合える相手だ。
 それだけで彼は救われた。ひとりじゃない。1人じゃなかった。それが嬉しかった。
 だから、今一緒に居るのは麗奈を一人にしないためだ。麗奈の傷を、自身が癒せるとも思っていなかった。
 だからせめて、隣に居ることにしたのだ。

「……ふうん、アンタが白露夢菜? 俺は麗奈の親友の七夜。よろしくね。」
「なんで不協和の影として活動するのか? 面白そうだから。あとついて行きたい人がいるから? ……ま、恵まれた君たちには分からないだろうね。じゃ、逆に聞くけどなんでシンカーやってんの?」
「……麗奈、俺は……、いや、なんでもねえよ。最後まで隣にいるさ」
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・姫乃千咲
 ひめのちさき
 一人称: あたし 二人称: あなた、あんた、〇〇ちゃん / くん 性別:女 年齢:16

 母と兄が不協和の影として活動している。父とは既に離婚済みである。彼らが家族であるからか、不協和の影の活動に協力的な少女。
 彼女のパフォーマンスはとても素晴らしいものだが、人気が目標まで伸びないからとかなり躍起になっており、最近のパフォーマンスは少々雑に見られがちである。

 本人はただ音楽が好きで、ファッションが好きで、歌が好きな普通の女の子。
 母親が彼女をシンカーしたのは、不協和の影響をなるべく拡大化するためである。彼女の母親はそうしておとだまの力を引き出し、全てを得ようとしているのだ。

 今は母親の曲を歌い、踊っている。

 母親は、父親との離婚後に精神的に不安定になり、それを支えたのが千咲だったが、母親から感謝されることはなく、「力を証明しなさい」とプレッシャーばかりをかけられてきた。
 父親が母を捨てたことを恨んでおり、父親のように「家族を捨てる人間」には絶対になりたくないと思っている。
 そのため、母親や兄に執着し、「家族のために生きる」という強い価値観を持つようになった。
 母親の目的は、アカシックレコードを壊し、世界を破壊することである。

「はいはいはーい! あたし、姫乃千咲! よろしくお願いします!」
「どうして不協和の影として活動してるのか? ……う〜ん、お家に帰るのに理由っているのかなあ?」
「あたし、ほんとは知ってたの。お母さんが良くないことしてるのも、あたしのやってることが間違ってるのも、こんなことしてたってお母さんがあたしのこと認めてくれるわけじゃないってことも……。でも、仕方ないじゃん、認めてほしかったんだよ」
「あたしがお母さんから離れたら、お母さん1人になっちゃうんだもん。仕方ないよね」
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・姫乃優
 ひめのゆう
 一人称: 僕 二人称: 君、〇〇ちゃん / くん 性別:男 年齢:17

 姫乃千咲の兄。不協和の影に居る。また、朱希の友人。
 穏やかで物静かな男。不協和の影にいる理由は母親への罪悪感によるものである。

 父と母が毎夜言い争っているのを知っていた。そのうち、父親は母親に暴力を振るうようになった。
 その結果、母親は怪しい団体に所属して、よく分からない陰謀論のようなものを信じるようになってしまった。
 父は母を見限って出ていった。残されたのは、まだ幼い妹とおかしくなってしまった母だった。

 間違っていると何度言っても母親の中にあるその破壊衝動は収まらず、妹まで巻き込んで事態はどんどん悪化している。
 その事に危機感を感じながら、ずっと何も出来ずにいる自分のことが大嫌いである。

 母親の影響で作曲をはじめ、それ繋がりで朱希と知り合っている。母親の曲も嫌にはなりきれない。

「朱希、おはよう。今日は幼馴染さんたちの相手はいいの? ふうん、そう」
「僕が……悪いのかな。母さんのこと、ちゃんと守ってやれなかった僕が、全部……」
「僕も、トップシンカーを目指すことにしたんだ。長い時間がかかったっていいさ、トップシンカーになって……今度は、世界を守るんだ」
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TrendSync!,文章

さいきんのらくがき
【 白日ヒナタ / 船月ノア 】

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これは幻覚
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これは2人のcpを考えていた時のやつ
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202501020103445-ao_kzr.jpg
202501020103444-ao_kzr.jpg

白日ヒナタと船月ノアは公式ではcpでは無いが二次創作ではその限りでは無いとされていると過去の私も言っています…… ヒナタの方が精神的に優位に立っているけれどノアヒナのつもりです ヒナタが負けてあげてる かわいい 強くて賢くてちょっと不穏なニコニコピカピカ光の女が好きです


202501161738026-ao_kzr.jpg畳む

らくがき,UTAU

【UTAUカバー】ハウトゥー世界征服【 白日ヒナタ / 船月ノア 】

嬉しいので、見せびらかし

UTAU