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座標零域 一話
4313文字
自分の人生を改めて振り返っても、恵まれていたと思う。
友達にも、恋人にも、兄にも。誰もが光にとって良い隣人だった。しかし両親には恵まれなかったがために、今、光は人生を終えようとしている。
明菜が泣き叫んでいる。ああ、どうか泣かないで。隣で兄が倒れている。兄だけでも助かればいいな、と思いながら、ぼやける視界の中、今にも明菜に襲いかからんとする実の母親は、なんだか知らない化け物のようだった。
知らない人が母親を抑え込んだ。おそらく通行人だろう。勇敢な人もいるもんだ。安心したと同時、徐々に痛みが引いていく。そうして無くなっていくのは痛みじゃなくて私の意識だったと気付いた時、私は私の身体から抜けていくような感覚を覚えて、ああ、死ぬ時ってこんな感じなんだなと――
「いやいやいやいやっ、まだ死ぬわけにはいかないでしょ!」
――考えた瞬間に目を覚ます。目を覚ます? 変だ。だって、そんなにすぐには目を覚ませるような状態ではなかったはずだ。起き上がって、周囲を見渡す。知らない家だ。ここはどこだ。自分の身体を確認する。わざわざ包丁を上下逆さまに持ってまで母親が開けた穴は見る影もなく、身体はとっても綺麗だった。
ベッド脇に置かれていた靴を履いて、立ち上がる。特段ふらつくこともなく立ち上がることができた。私の寝かされていたベッドはそれはそれはふかふかで、ここがそこそこ良い家だということが分かった。
扉を開けてみる。特に鍵はかかっていない。広い家だ。警戒しながら階段を降りれば、見るからに玄関ですと訴えてくるような大きな扉が目の前にあった。開く。
真っ黒な空。夜だろうか。辺りには本当に何も無かった。いや、何も無かったというのには誤解がある。辺り一面、枯れた花畑だ。誰も手入れしなかったのか、雑草がそこかしこに見つかる。花は枯れているし、地面はひび割れている。これでは植物は育たないだろう。
「ここって――」
確信した。
ここは、宇宙のどこか――正確には、観測可能宇宙、うしかい座ボイド、座標零域、孤立恒星系アステリア、惑星碧海号。
私、死んだら星に帰るの。そう宣言した過去の記憶を思い出す。ここはいつか空想したその星とよく似ていた。
「じゃあ、私、やっぱり死んだ……?」
だとすれば、これは二度目の人生、といったところだろうか。ここで、穏やかに暮らしていけるのだろうか。
「――っ、やった――――!!」
拳を突き上げる。地球にはしがらみが多すぎる。だから、ちょうど、一人になりたいと思っていたところだったのだ。
そうと決まれば一人を満喫しなければ。ウキウキと屋敷に戻り、自身の寝ていた部屋に戻る。予想が間違っていなければ、ここにノートがあるはずだ。
「あった!」
ノートを開く。インクとペンもついでに探し出して、書き出した。宇宙に住むこと。宇宙人になれたこと。今の気持ち。これからどうしたいか。次々に出てくる書きたいことは留まるところを知らず、気付けばノートを一冊使い切ってしまった。それで、自分が柄にもなくはしゃいでいることに気がついた。ここまでにしよう。
気分の高揚を落ち着かせるために、外に出る。空を見上げる。この興奮を、誰かに話したい、と思って、誰もいないことに気がついた。
誰もいない。
そういえば。と、連鎖的に、思い出さないようにしていた記憶が溢れてくる。兄は――俊は、助かっただろうか。親友の明菜には迷惑をかけてしまったし、嫌なものを見せてしまった。あの後、ちゃんと逃げ切れただろうか。対処できただろうか。とはいえ、彼女は運動が得意だから大丈夫だと信じたいけれど。恋人であった久詞くんは私の死知れば悲しむのだろう。どうか幸せに生きて欲しい。私がいなくても、きっと、いつか、誰かと――
――そんなの嫌だ。
思ってしまった言葉に自分で動揺する。それでも私は確かに死んだのだ。そんなこと考えてもどうしようもない。でも嫌だ。死人に口はない。嫌だ。なにか、生き返る方法が、あれば。
いや、生き返る方法なんかなくても、どうにかして地球に向かうことが出来れば?
そこまで考えて、首を横に振る。こんなこと考えたって虚しいだけだ。やめよう。
「――それにしたって、これから一人ぼっちか」
言葉が漏れる。改めて口にすると実感が湧いて、思わず寂しくなった。体育座りをして、顔を膝に埋める。こんなことなら、ちゃんと話し相手とかまで考えておくんだった。
静かだ。
ぶうん、と、遠くから何かが近づいて来る音まで聞こえてくる。なにかの機械みたいな。例えるなら、飛行機みたいな。……飛行機、みたいな?
顔を上げる。と、同時、強い風と、ぶつかってきた何かに吹き飛ばされた。
「突撃ーッ!」
「ッ、うわあ!?」
「えっ、弱」
ぐるん、ぐるん、ぐるん、べちゃり。私の身体は綺麗に三回転して地面に転がった。いてて、と零しながら起き上がろうとした私の首に、なにかが突きつけられる。剣だ。ひやりとした感覚に嫌な汗が伝う。緊張が走る。
「なあアンタ、元々地球に住んでいたニンゲンってやつだろ。急にこの星を出現させたっていう、ヤバいヤツ!」
「なにそれ……」
ヤバいやつとは心外である。急に知らない話をされている上に剣まで突きつけられている私の身にもなってくれ。
「ええと……とりあえず、きみは誰?」
「冷静だな。自分の命の危機だぞ」
「だってもう既に一回死んだし……」
「……拍子抜けだな」
剣が首元から離れていく。顔を上げる。
まんまるな生き物だった。それ以外に形容できない。ここが地球であればマスコットとして人気になっていただろう。いや、人気に……なるか……? ともかく、その妙なマスコットは自身がまじまじと観察されていることに特段文句も言わず、自己紹介を始めた。
「オレは観測可能宇宙、ヘルクレス座=かんむり座グレートウォール、第四百十二銀河団、過密恒星系ガヤ・ガヤ、第三惑星ごった煮騎士団所属、ベガ隊長だぜ〜! 恐れ戦け〜」
「ええ……」
「ええ〜じゃないだろ」
マスコットの顔らしき部分が不服そうな顔をした。私も答える。
「ええ〜だよ、私は今これから一人ぼっちなんだ〜って思ってセンチメンタルだったんだから」
「しらね〜」
拍子抜けだと言わんばかりに地面に転がったベガの傍に寄る。ベガは私のことをちら、と見てこう聞いた。
「アンタ、なんでこの星作ったんだ? どうやってここまで?」
「ええ……知らない、分かんないよ。気づいたらこの星があって、気づいたらここにいたの」
「ええ〜……じゃあ、この星の地下に眠る資源のことは?」
「こんな何も無い星に資源が?」
辺りを見る限り星は一面花畑だが。ベガは困ったように頭を抱えて、説明を始めた。
「ごった煮星の所属する過密恒星系ガヤ・ガヤは、その名の通り、人が多くて騒がしい場所だ。だから騒音問題は耐えず起こるし、その対策のために静寂鉱という鉱石が居る」
「ほへえ」
宇宙人も防音対策するんだ。歌うのが好きだった光はそれで少しの親近感を持った。
「しかし静寂鉱は貴重な鉱石だ。他に必要な種族が居ないのを良いことに、もうずいぶんな数を消費してしまったから、静寂鉱は滅多に見つからないんだ。そんなところに、この星の出現だ」
「……ということは、この星に、静寂鉱が?」
ベガは頷いた。
「そもそも、急な星の出現だし、なんか危ないかもってことで、他の部隊が何度か調査にここまで来ているんだが、そのほとんどが毒を吸って重症のまま帰ってきている。心当たりは?」
「ないよ。だって、今日初めて宇宙に来たんだもの」
ベガはまじまじとこちらを見ていた。観察されている。しばらくして、嘘はついていないと判断されたのか、ベガは話を続けた。
「……この星には、バリアが張られていたんだそうだ。大気という名のバリア。宇宙人に大気は毒だからな」
「ええっ、そうなの?」
「俺らからしたら、お前らニンゲンがおかしいんだぜ」
本当に何も知らないんだな、とベガは呆れたように言った。真実だ。人間って本当に宇宙のこと何も知らなかったんだな、と、光は頭の片隅でぼんやり思った。
「だけど、観測班がその大気の反応が消えたって言うから、俺はこの星から資源を持って帰るためにここまで来たんだ。そこにアンタがいた」
「へえ」
「アンタ、この星の所有者だろ。この星の静寂鉱を、俺らに渡してくれ。さもなくば――」
「いいよ」
「アンタの命は……って、あ?」
ベガは拍子抜け、と言わんばかりだ。もはやそう顔に書いてあるまである。光は苦笑して言った。
「だって、きっとここでは必要ないもの」
「……そうか。しかし、なんの対価も無くいただいてくいのは我々騎士団のポリシーに欠けるな。なにか必要なものは?」
「ええ〜……」
光は少し考えた。いろんなことが頭に浮かんで消えていく。でも、まあ、うん、とりあえず。
「じゃ、今度誰かしら連れて遊びに来てよ」
「はあ。それでいいのか?」
「うん。言ったじゃん、一人で寂しいな〜って思ってたの。だから、話し相手になって」
ベガは終始怪訝そうな顔をしていた。もしかして、宇宙人には寂しいという感情は無いのだろうか。ふと浮かんだそんな疑問を口にする前にベガは頷いた。
「まあ、アンタがそれでいいなら。交渉成立ってことで」
「やった。ありがとう」
「それはこっちのセリフなんじゃね?」
じゃあ、とベガは早速と言わんばかりに彼が乗ってきたであろう機械の元に寄っていく。小さな機械だ。ベガはそもそも飛べるのに、こんなものが必要なのだろうか。
「なんだよ」
「……いや?」
「顔で分かるっつの。星と星の移動は時間かかるから必要なんだよ、うるせえな」
「ああ、なるほどね」
確かにな。納得してみせれば嫌そうな顔をされた。なんなんだ。
「俺は一旦本部に報告しに帰る。どうせすぐ戻ってくるけど、もし気が変わったら――」
「変わんないって、殺されちゃ堪んないもん」
「そうかよ」
不機嫌そうに吐き捨てられた。先に殺そうとしたのはそっちのくせに。
「次来る時にはなんか美味しいもの持ってきてよ」
「はァ?」
要望を伝えれば、不機嫌そうなまま視線を寄越される。
「私、宇宙人初心者なんだよ。宇宙の美味しいものは食べたいじゃん」
ベガはしばらく面倒くさそうに視線を左右させた。そうして、たっぷりの間を開けてから、
「気が向いたらな」
と言った。
「期待してるから」
追い打ちをかけるように笑えば、ベガは不満そうな顔をして飛び立っていく。
なにはともあれ、光はこの宇宙で一人ぼっちにはならずにすみそうだった。
あとは。
上手い具合にベガたちに取り入って、地球に戻るか、生き返る方法を探してみよう。
ぐうと大きく伸びをする。伸びをして、今日あったことを記録するために屋敷に戻ることにした。
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4313文字
自分の人生を改めて振り返っても、恵まれていたと思う。
友達にも、恋人にも、兄にも。誰もが光にとって良い隣人だった。しかし両親には恵まれなかったがために、今、光は人生を終えようとしている。
明菜が泣き叫んでいる。ああ、どうか泣かないで。隣で兄が倒れている。兄だけでも助かればいいな、と思いながら、ぼやける視界の中、今にも明菜に襲いかからんとする実の母親は、なんだか知らない化け物のようだった。
知らない人が母親を抑え込んだ。おそらく通行人だろう。勇敢な人もいるもんだ。安心したと同時、徐々に痛みが引いていく。そうして無くなっていくのは痛みじゃなくて私の意識だったと気付いた時、私は私の身体から抜けていくような感覚を覚えて、ああ、死ぬ時ってこんな感じなんだなと――
「いやいやいやいやっ、まだ死ぬわけにはいかないでしょ!」
――考えた瞬間に目を覚ます。目を覚ます? 変だ。だって、そんなにすぐには目を覚ませるような状態ではなかったはずだ。起き上がって、周囲を見渡す。知らない家だ。ここはどこだ。自分の身体を確認する。わざわざ包丁を上下逆さまに持ってまで母親が開けた穴は見る影もなく、身体はとっても綺麗だった。
ベッド脇に置かれていた靴を履いて、立ち上がる。特段ふらつくこともなく立ち上がることができた。私の寝かされていたベッドはそれはそれはふかふかで、ここがそこそこ良い家だということが分かった。
扉を開けてみる。特に鍵はかかっていない。広い家だ。警戒しながら階段を降りれば、見るからに玄関ですと訴えてくるような大きな扉が目の前にあった。開く。
真っ黒な空。夜だろうか。辺りには本当に何も無かった。いや、何も無かったというのには誤解がある。辺り一面、枯れた花畑だ。誰も手入れしなかったのか、雑草がそこかしこに見つかる。花は枯れているし、地面はひび割れている。これでは植物は育たないだろう。
「ここって――」
確信した。
ここは、宇宙のどこか――正確には、観測可能宇宙、うしかい座ボイド、座標零域、孤立恒星系アステリア、惑星碧海号。
私、死んだら星に帰るの。そう宣言した過去の記憶を思い出す。ここはいつか空想したその星とよく似ていた。
「じゃあ、私、やっぱり死んだ……?」
だとすれば、これは二度目の人生、といったところだろうか。ここで、穏やかに暮らしていけるのだろうか。
「――っ、やった――――!!」
拳を突き上げる。地球にはしがらみが多すぎる。だから、ちょうど、一人になりたいと思っていたところだったのだ。
そうと決まれば一人を満喫しなければ。ウキウキと屋敷に戻り、自身の寝ていた部屋に戻る。予想が間違っていなければ、ここにノートがあるはずだ。
「あった!」
ノートを開く。インクとペンもついでに探し出して、書き出した。宇宙に住むこと。宇宙人になれたこと。今の気持ち。これからどうしたいか。次々に出てくる書きたいことは留まるところを知らず、気付けばノートを一冊使い切ってしまった。それで、自分が柄にもなくはしゃいでいることに気がついた。ここまでにしよう。
気分の高揚を落ち着かせるために、外に出る。空を見上げる。この興奮を、誰かに話したい、と思って、誰もいないことに気がついた。
誰もいない。
そういえば。と、連鎖的に、思い出さないようにしていた記憶が溢れてくる。兄は――俊は、助かっただろうか。親友の明菜には迷惑をかけてしまったし、嫌なものを見せてしまった。あの後、ちゃんと逃げ切れただろうか。対処できただろうか。とはいえ、彼女は運動が得意だから大丈夫だと信じたいけれど。恋人であった久詞くんは私の死知れば悲しむのだろう。どうか幸せに生きて欲しい。私がいなくても、きっと、いつか、誰かと――
――そんなの嫌だ。
思ってしまった言葉に自分で動揺する。それでも私は確かに死んだのだ。そんなこと考えてもどうしようもない。でも嫌だ。死人に口はない。嫌だ。なにか、生き返る方法が、あれば。
いや、生き返る方法なんかなくても、どうにかして地球に向かうことが出来れば?
そこまで考えて、首を横に振る。こんなこと考えたって虚しいだけだ。やめよう。
「――それにしたって、これから一人ぼっちか」
言葉が漏れる。改めて口にすると実感が湧いて、思わず寂しくなった。体育座りをして、顔を膝に埋める。こんなことなら、ちゃんと話し相手とかまで考えておくんだった。
静かだ。
ぶうん、と、遠くから何かが近づいて来る音まで聞こえてくる。なにかの機械みたいな。例えるなら、飛行機みたいな。……飛行機、みたいな?
顔を上げる。と、同時、強い風と、ぶつかってきた何かに吹き飛ばされた。
「突撃ーッ!」
「ッ、うわあ!?」
「えっ、弱」
ぐるん、ぐるん、ぐるん、べちゃり。私の身体は綺麗に三回転して地面に転がった。いてて、と零しながら起き上がろうとした私の首に、なにかが突きつけられる。剣だ。ひやりとした感覚に嫌な汗が伝う。緊張が走る。
「なあアンタ、元々地球に住んでいたニンゲンってやつだろ。急にこの星を出現させたっていう、ヤバいヤツ!」
「なにそれ……」
ヤバいやつとは心外である。急に知らない話をされている上に剣まで突きつけられている私の身にもなってくれ。
「ええと……とりあえず、きみは誰?」
「冷静だな。自分の命の危機だぞ」
「だってもう既に一回死んだし……」
「……拍子抜けだな」
剣が首元から離れていく。顔を上げる。
まんまるな生き物だった。それ以外に形容できない。ここが地球であればマスコットとして人気になっていただろう。いや、人気に……なるか……? ともかく、その妙なマスコットは自身がまじまじと観察されていることに特段文句も言わず、自己紹介を始めた。
「オレは観測可能宇宙、ヘルクレス座=かんむり座グレートウォール、第四百十二銀河団、過密恒星系ガヤ・ガヤ、第三惑星ごった煮騎士団所属、ベガ隊長だぜ〜! 恐れ戦け〜」
「ええ……」
「ええ〜じゃないだろ」
マスコットの顔らしき部分が不服そうな顔をした。私も答える。
「ええ〜だよ、私は今これから一人ぼっちなんだ〜って思ってセンチメンタルだったんだから」
「しらね〜」
拍子抜けだと言わんばかりに地面に転がったベガの傍に寄る。ベガは私のことをちら、と見てこう聞いた。
「アンタ、なんでこの星作ったんだ? どうやってここまで?」
「ええ……知らない、分かんないよ。気づいたらこの星があって、気づいたらここにいたの」
「ええ〜……じゃあ、この星の地下に眠る資源のことは?」
「こんな何も無い星に資源が?」
辺りを見る限り星は一面花畑だが。ベガは困ったように頭を抱えて、説明を始めた。
「ごった煮星の所属する過密恒星系ガヤ・ガヤは、その名の通り、人が多くて騒がしい場所だ。だから騒音問題は耐えず起こるし、その対策のために静寂鉱という鉱石が居る」
「ほへえ」
宇宙人も防音対策するんだ。歌うのが好きだった光はそれで少しの親近感を持った。
「しかし静寂鉱は貴重な鉱石だ。他に必要な種族が居ないのを良いことに、もうずいぶんな数を消費してしまったから、静寂鉱は滅多に見つからないんだ。そんなところに、この星の出現だ」
「……ということは、この星に、静寂鉱が?」
ベガは頷いた。
「そもそも、急な星の出現だし、なんか危ないかもってことで、他の部隊が何度か調査にここまで来ているんだが、そのほとんどが毒を吸って重症のまま帰ってきている。心当たりは?」
「ないよ。だって、今日初めて宇宙に来たんだもの」
ベガはまじまじとこちらを見ていた。観察されている。しばらくして、嘘はついていないと判断されたのか、ベガは話を続けた。
「……この星には、バリアが張られていたんだそうだ。大気という名のバリア。宇宙人に大気は毒だからな」
「ええっ、そうなの?」
「俺らからしたら、お前らニンゲンがおかしいんだぜ」
本当に何も知らないんだな、とベガは呆れたように言った。真実だ。人間って本当に宇宙のこと何も知らなかったんだな、と、光は頭の片隅でぼんやり思った。
「だけど、観測班がその大気の反応が消えたって言うから、俺はこの星から資源を持って帰るためにここまで来たんだ。そこにアンタがいた」
「へえ」
「アンタ、この星の所有者だろ。この星の静寂鉱を、俺らに渡してくれ。さもなくば――」
「いいよ」
「アンタの命は……って、あ?」
ベガは拍子抜け、と言わんばかりだ。もはやそう顔に書いてあるまである。光は苦笑して言った。
「だって、きっとここでは必要ないもの」
「……そうか。しかし、なんの対価も無くいただいてくいのは我々騎士団のポリシーに欠けるな。なにか必要なものは?」
「ええ〜……」
光は少し考えた。いろんなことが頭に浮かんで消えていく。でも、まあ、うん、とりあえず。
「じゃ、今度誰かしら連れて遊びに来てよ」
「はあ。それでいいのか?」
「うん。言ったじゃん、一人で寂しいな〜って思ってたの。だから、話し相手になって」
ベガは終始怪訝そうな顔をしていた。もしかして、宇宙人には寂しいという感情は無いのだろうか。ふと浮かんだそんな疑問を口にする前にベガは頷いた。
「まあ、アンタがそれでいいなら。交渉成立ってことで」
「やった。ありがとう」
「それはこっちのセリフなんじゃね?」
じゃあ、とベガは早速と言わんばかりに彼が乗ってきたであろう機械の元に寄っていく。小さな機械だ。ベガはそもそも飛べるのに、こんなものが必要なのだろうか。
「なんだよ」
「……いや?」
「顔で分かるっつの。星と星の移動は時間かかるから必要なんだよ、うるせえな」
「ああ、なるほどね」
確かにな。納得してみせれば嫌そうな顔をされた。なんなんだ。
「俺は一旦本部に報告しに帰る。どうせすぐ戻ってくるけど、もし気が変わったら――」
「変わんないって、殺されちゃ堪んないもん」
「そうかよ」
不機嫌そうに吐き捨てられた。先に殺そうとしたのはそっちのくせに。
「次来る時にはなんか美味しいもの持ってきてよ」
「はァ?」
要望を伝えれば、不機嫌そうなまま視線を寄越される。
「私、宇宙人初心者なんだよ。宇宙の美味しいものは食べたいじゃん」
ベガはしばらく面倒くさそうに視線を左右させた。そうして、たっぷりの間を開けてから、
「気が向いたらな」
と言った。
「期待してるから」
追い打ちをかけるように笑えば、ベガは不満そうな顔をして飛び立っていく。
なにはともあれ、光はこの宇宙で一人ぼっちにはならずにすみそうだった。
あとは。
上手い具合にベガたちに取り入って、地球に戻るか、生き返る方法を探してみよう。
ぐうと大きく伸びをする。伸びをして、今日あったことを記録するために屋敷に戻ることにした。
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座標零域
ほどけてほつれてボロボロの布を、パッチワークにするみたいに。好きなもの、たくさん、縫い合わせましょう。
例えば宇宙。一人。自由と眠り、静けさ、そして少し不思議な隣人さん。
――還る場所は自分で作った。
〇世界観
・宇宙人の死について
意識があれば死は何回だって訪れる。基本的に地球に住む人間以外は意識/記憶を保ったまま身体を再生し生き返るが、ごく稀に、全く違う星の生き物として発生することもあるらしい。
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・地球人の死について
地球では、基本的には死は一度のみと信じられている。理由は簡単で、宇宙人と接触することが出来ないからである。地球は宇宙人にとっての地獄。悪いことしたやつは地球行きだと信じられているし、実際、地球の大気は宇宙人には有毒なものであるので、普通の宇宙人はまず近寄らない。
長らく、地球で死ねば、その全ての魂は地球の大気に耐えきれず消失するとされてきたが、ごく稀に、強い魂を持った者が宇宙を少し変えることがある。例えば宇宙人に生まれ変わる。例えば一つ星を発生させる、など。光はこれらを本当にたまたま成し遂げたのである。
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・碧海号について
光の空想から産まれた星である。光の空想の中ではこの星は光のものなので、光の魂がこの星に辿り着くまでの間は強固なバリアで守られていたそうだ。
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〇登場人物
・歌橋 光
うたはし こう
享年18歳¦女¦163cm
一人称:私¦二人称:きみ
現住所:観測可能宇宙、うしかい座ボイド、座標零域、孤立恒星系アステリア、惑星碧海号
死亡回数:一回
地球で生まれ、地球で育ち、地球で死んだ。その辺にゴロゴロ落ちている石ころのひとつ。よくある、普通の人生だった。家族には恵まれなかったが、友達に恵まれ、恋人に恵まれ、幸せだったと思う。
それでも、ずっと帰る場所を欲していた。暖かくて優しくて時に厳しくてもいつでも受け入れてくれるって信じられるような場所が欲しかった。
彼女は言う。
自分の中に留めておくなら吐きたい言葉を吐いていいし、誰にでも邪魔されない創作があってもいい。頭の中は自由だから。私は自由だから。
死んだらそこに還り着きたいと祈る。これは、自分だけの宗教みたいなものなのだと、それを救いにするのだと。彼女には一人で楽しむ創作物があった。
自分だけの星だ。
自分だけの星に他の人はいない。救いの中に他の人を入れると絶対的じゃなくなるからだ。
でも、しいて言うなら、一人は寂しいから、彼女は眠ることで旅をする。もちろん、疲れたら旅をしないこともできる。そういう時は目を覚まして、ノートに向き合って記録したり、考え事をしたり、創作をしたりする。別に眠らなくても生きていけたらいい。帰ってきてしまえば、私はもう宇宙人で、地球の人間ではないのだから。
交信のために。あるいは、学びのために。学びのためがそれらしいかも。勝手に発展した星の技術を行使して、観測した、地球という星の人間という生き物と交流したかった。べつに、宇宙人でも可。
帰る場所である星には何があるかというと、花の枯れた花畑がある。彼女が管理を怠っているから花も咲いていないけど、いつか芽吹く日が来るのだ。
あとは、ポストがある。ポストがあるってことは家もある。もし私が先に死んだら、観測可能宇宙/うしかい座ボイド/座標零域/孤立恒星系アステリア/惑星碧海号まで手紙を送ってね、と彼女が生前書いた遺書には書いてある。
まあ、それも、きっと誰にも本気にはされていないだろうが
「私は歌橋光。歌って呼んで。……下の名前、好きじゃないんだ」
「君は誰? ここは私の星だけど」
「平穏に暮らさせて欲しいんだけどな……」
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・萩原 明菜
はぎわら あきな
18歳¦女¦153cm
一人称:わたし¦二人称:あなた
現住所:地球
死亡回数:なし
光の親友。幼少期、ネグレクトを受けていた光と俊を救い出した張本人であり、二人は彼女に深い恩を感じていた。明菜も二人が大好きだった。
光と俊が死んだのは二人の家族が原因である。明菜はそれを突き止め、罪として突き付けることで復讐を果たそうとしている。現状その復讐のためだけに生きており、酷くやつれているようだ。
「歌ちゃん、俊くん。大好きだよ。……見守っていてね」
「う、歌ちゃんだって、わたしのこと看取るって約束してくれたくせに! 俊くんもだよ、先に死んじゃうんだもん、ありえない、だって、わたし、寂しかったんだから……!」
「……あなた、今二人になんて言った?」
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・歌橋 俊
うたはし すぐる
一人称:俺¦二人称:お前
享年18歳¦男¦179cm
現住所:
死亡回数:三回
光の兄。光と共に明菜とその両親に保護されていたが、両親の逆恨みにより、光を庇って先に死亡。現在の消息は不明。明菜のことが密かに好きだった。
なんとかして明菜と接触を図る術を探しており、その間に二回死んでいる。
「歌、朝ごはん出来てるから早く起きなよ」
「明菜ちゃん、いいんだよ、もういいんだ。君は君で幸せになってくれれば、それで、……きっと歌も、……あ、……そっか、聞こえないよな」
「うるせえな、こんなことになるなら、死にたくなかったに決まってんだろ!」
畳む
・余川 久詞
よかわ ひさし
一人称:ぼく¦二人称:きみ
17歳¦男¦169cm
現住所:地球
死亡回数:なし
光の(元)恋人。久詞は今も恋人だと思っているが、光はもう既に故人であるため恋人関係は解消してもいいよ〜と思っている。死人に口は無いので伝えることは出来ないが。
「死んだから別れたことにしていいなんて馬鹿言うなよ、ぼくはきみを引き摺って生きるぞ、それほど大好きだったんだよ!」
「歌ちゃん、おやすみ。どうかきみの眠りが安らかでありますように……」
畳む
・時川 尚
ときかわ なお
一人称:俺¦二人称:おまえ
17歳¦男¦179cm
現住所:地球
死亡回数:なし
久詞の友人。姉が一人いる。
「アイツ、先輩にベタ惚れだったもンな〜。いつかちゃんと立ち直ったらいいんだけど」
「俺は別に好きなやつなんか居ねえけど……それはそうと明菜さんって美人だよな」
畳む
ベガ隊
・ベガ
18000歳¦男
一人称:オレ¦二人称:アンタ
現住所:観測可能宇宙、ヘルクレス座=かんむり座グレートウォール、第四百十二銀河団、過密恒星系ガヤ・ガヤ、第三惑星ごった煮
死亡回数:覚えてない
騎士団の命令で、碧海号の地下に眠る「静寂鉱脈」を狙っている。静寂鉱は、砕くと周囲の騒音を吸う。騒がしいごった煮星では、街の騒音対策に喉から手が出るほど欲しいものだ。
元々はもっと過激な星に生まれ、徴兵されて軍にいた。その先で一度死に、ごった煮星で再発生。それからは比較的平和であった。現在の立ち位置を気に入っている。実は臆病で、なるべく死にたくないと思っている。
「観測可能宇宙、ヘルクレス座=かんむり座グレートウォール、第四百十二銀河団、過密恒星系ガヤ・ガヤ、第三惑星ごった煮騎士団所属、ベガ隊長だぜ〜! 恐れ戦け〜」
「そんなこと言ったって、騎士団長サマが何て言うか分かんね〜ンだもんよ」
「アンタ、変なやつだよな」
畳む
・アルタイル
15000歳¦男
一人称:僕¦二人称:あんた
現住所:観測可能宇宙、ヘルクレス座=かんむり座グレートウォール、第四百十二銀河団、過密恒星系ガヤ・ガヤ、第三惑星ごった煮
死亡回数:ベガよりはマシ
副隊長兼、ベガのお世話係、と団員たちには揶揄されている。気に入らない。
普段は穏やかで物腰柔らかだが、隊長のことになると急に荒々しくなる。多少雑に扱って良いと思ってるよな、というリゲルの言葉には散々雑に扱われてるんでね、と返していた。
電子機器の取り扱いが上手い。
「隊長〜! 置いていかないでくださいってば〜〜」
「隊長? なんですかこの報告書は。誰がこれ直すと思ってるんですか。隊長? 聞いてますか? 隊長。隊長コラ逃げんな!!!!」
畳む
・リゲル
16600歳¦男
一人称:おれ¦二人称:オマエ
現住所:観測可能宇宙、ヘルクレス座=かんむり座グレートウォール、第四百十二銀河団、過密恒星系ガヤ・ガヤ、第三惑星ごった煮
死亡回数:数知れず
元々ごった煮で生まれ育っているが、ごった煮の喧騒が合わず、旅立つ口実として騎士団に入った。そのため、遠征の任務が好き。
しかし、他の星に行くのに危険は付き物。仕方の無いこととはいえ、何度も何度も戦っては死んでいれば嫌でも慣れてしまうものだ。
死ぬことの方が、ずっと故郷に居るよりマシなのである。
「なにやってんだあいつら……」
「たいちょ〜、おれ突っ込んで来ましょ〜か?」
「ま、死ぬのにはおれがいちばん慣れてっからナ〜」
畳む
・スピカ
16700歳¦男
一人称:ぼく¦二人称:きみ
現住所:観測可能宇宙、ヘルクレス座=かんむり座グレートウォール、第四百十二銀河団、過密恒星系ガヤ・ガヤ、第三惑星ごった煮
死亡回数:三十五回
ベガ隊のお食事担当。三度の飯よりご飯が大好き。リゲルとは同期。
元々は料理人だったが、戦争により店が全壊。仕方なく探して見つけた職が騎士団の料理係だった。料理人にも訓練や任務があるなんて知らなかったので応募した。限界が来たらやめようと思っていたが、なぜか訓練に耐えることが出来てしまったので、やめる理由もなくズルズルと続けている。
「ていうか腹減ったっすよ〜! 飯の時間はまだすか〜? 準備しませ〜ん?」
「腹が減っては戦は出来ぬ、ってね〜。ほら、君もどうすか。美味そうでしよ」
畳む
・アルデ
1600歳¦男
一人称:私¦二人称:あなた
現住所:観測可能宇宙、ヘルクレス座=かんむり座グレートウォール、第四百十二銀河団、過密恒星系ガヤ・ガヤ、第三惑星ごった煮
死亡回数:五回
ベガ隊の観測・記録担当であり、元人間。物静かで自分のことを深く語らないため、良くも悪くも謎の多い男である。手先が器用でものを作るのが好き。彼がごった煮で開発したものは既に数知れず、その技術を買って騎士団長が直々にスカウトしたらしい。
「私は……ただの観測係なので、お気になさらず」
「……歌は、地球に帰りたいとは思いませんか」
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ほどけてほつれてボロボロの布を、パッチワークにするみたいに。好きなもの、たくさん、縫い合わせましょう。
例えば宇宙。一人。自由と眠り、静けさ、そして少し不思議な隣人さん。
――還る場所は自分で作った。
〇世界観
・宇宙人の死について
意識があれば死は何回だって訪れる。基本的に地球に住む人間以外は意識/記憶を保ったまま身体を再生し生き返るが、ごく稀に、全く違う星の生き物として発生することもあるらしい。
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・地球人の死について
地球では、基本的には死は一度のみと信じられている。理由は簡単で、宇宙人と接触することが出来ないからである。地球は宇宙人にとっての地獄。悪いことしたやつは地球行きだと信じられているし、実際、地球の大気は宇宙人には有毒なものであるので、普通の宇宙人はまず近寄らない。
長らく、地球で死ねば、その全ての魂は地球の大気に耐えきれず消失するとされてきたが、ごく稀に、強い魂を持った者が宇宙を少し変えることがある。例えば宇宙人に生まれ変わる。例えば一つ星を発生させる、など。光はこれらを本当にたまたま成し遂げたのである。
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・碧海号について
光の空想から産まれた星である。光の空想の中ではこの星は光のものなので、光の魂がこの星に辿り着くまでの間は強固なバリアで守られていたそうだ。
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〇登場人物
・歌橋 光
うたはし こう
享年18歳¦女¦163cm
一人称:私¦二人称:きみ
現住所:観測可能宇宙、うしかい座ボイド、座標零域、孤立恒星系アステリア、惑星碧海号
死亡回数:一回
地球で生まれ、地球で育ち、地球で死んだ。その辺にゴロゴロ落ちている石ころのひとつ。よくある、普通の人生だった。家族には恵まれなかったが、友達に恵まれ、恋人に恵まれ、幸せだったと思う。
それでも、ずっと帰る場所を欲していた。暖かくて優しくて時に厳しくてもいつでも受け入れてくれるって信じられるような場所が欲しかった。
彼女は言う。
自分の中に留めておくなら吐きたい言葉を吐いていいし、誰にでも邪魔されない創作があってもいい。頭の中は自由だから。私は自由だから。
死んだらそこに還り着きたいと祈る。これは、自分だけの宗教みたいなものなのだと、それを救いにするのだと。彼女には一人で楽しむ創作物があった。
自分だけの星だ。
自分だけの星に他の人はいない。救いの中に他の人を入れると絶対的じゃなくなるからだ。
でも、しいて言うなら、一人は寂しいから、彼女は眠ることで旅をする。もちろん、疲れたら旅をしないこともできる。そういう時は目を覚まして、ノートに向き合って記録したり、考え事をしたり、創作をしたりする。別に眠らなくても生きていけたらいい。帰ってきてしまえば、私はもう宇宙人で、地球の人間ではないのだから。
交信のために。あるいは、学びのために。学びのためがそれらしいかも。勝手に発展した星の技術を行使して、観測した、地球という星の人間という生き物と交流したかった。べつに、宇宙人でも可。
帰る場所である星には何があるかというと、花の枯れた花畑がある。彼女が管理を怠っているから花も咲いていないけど、いつか芽吹く日が来るのだ。
あとは、ポストがある。ポストがあるってことは家もある。もし私が先に死んだら、観測可能宇宙/うしかい座ボイド/座標零域/孤立恒星系アステリア/惑星碧海号まで手紙を送ってね、と彼女が生前書いた遺書には書いてある。
まあ、それも、きっと誰にも本気にはされていないだろうが
「私は歌橋光。歌って呼んで。……下の名前、好きじゃないんだ」
「君は誰? ここは私の星だけど」
「平穏に暮らさせて欲しいんだけどな……」
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・萩原 明菜
はぎわら あきな
18歳¦女¦153cm
一人称:わたし¦二人称:あなた
現住所:地球
死亡回数:なし
光の親友。幼少期、ネグレクトを受けていた光と俊を救い出した張本人であり、二人は彼女に深い恩を感じていた。明菜も二人が大好きだった。
光と俊が死んだのは二人の家族が原因である。明菜はそれを突き止め、罪として突き付けることで復讐を果たそうとしている。現状その復讐のためだけに生きており、酷くやつれているようだ。
「歌ちゃん、俊くん。大好きだよ。……見守っていてね」
「う、歌ちゃんだって、わたしのこと看取るって約束してくれたくせに! 俊くんもだよ、先に死んじゃうんだもん、ありえない、だって、わたし、寂しかったんだから……!」
「……あなた、今二人になんて言った?」
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・歌橋 俊
うたはし すぐる
一人称:俺¦二人称:お前
享年18歳¦男¦179cm
現住所:
死亡回数:三回
光の兄。光と共に明菜とその両親に保護されていたが、両親の逆恨みにより、光を庇って先に死亡。現在の消息は不明。明菜のことが密かに好きだった。
なんとかして明菜と接触を図る術を探しており、その間に二回死んでいる。
「歌、朝ごはん出来てるから早く起きなよ」
「明菜ちゃん、いいんだよ、もういいんだ。君は君で幸せになってくれれば、それで、……きっと歌も、……あ、……そっか、聞こえないよな」
「うるせえな、こんなことになるなら、死にたくなかったに決まってんだろ!」
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・余川 久詞
よかわ ひさし
一人称:ぼく¦二人称:きみ
17歳¦男¦169cm
現住所:地球
死亡回数:なし
光の(元)恋人。久詞は今も恋人だと思っているが、光はもう既に故人であるため恋人関係は解消してもいいよ〜と思っている。死人に口は無いので伝えることは出来ないが。
「死んだから別れたことにしていいなんて馬鹿言うなよ、ぼくはきみを引き摺って生きるぞ、それほど大好きだったんだよ!」
「歌ちゃん、おやすみ。どうかきみの眠りが安らかでありますように……」
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・時川 尚
ときかわ なお
一人称:俺¦二人称:おまえ
17歳¦男¦179cm
現住所:地球
死亡回数:なし
久詞の友人。姉が一人いる。
「アイツ、先輩にベタ惚れだったもンな〜。いつかちゃんと立ち直ったらいいんだけど」
「俺は別に好きなやつなんか居ねえけど……それはそうと明菜さんって美人だよな」
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ベガ隊
・ベガ
18000歳¦男
一人称:オレ¦二人称:アンタ
現住所:観測可能宇宙、ヘルクレス座=かんむり座グレートウォール、第四百十二銀河団、過密恒星系ガヤ・ガヤ、第三惑星ごった煮
死亡回数:覚えてない
騎士団の命令で、碧海号の地下に眠る「静寂鉱脈」を狙っている。静寂鉱は、砕くと周囲の騒音を吸う。騒がしいごった煮星では、街の騒音対策に喉から手が出るほど欲しいものだ。
元々はもっと過激な星に生まれ、徴兵されて軍にいた。その先で一度死に、ごった煮星で再発生。それからは比較的平和であった。現在の立ち位置を気に入っている。実は臆病で、なるべく死にたくないと思っている。
「観測可能宇宙、ヘルクレス座=かんむり座グレートウォール、第四百十二銀河団、過密恒星系ガヤ・ガヤ、第三惑星ごった煮騎士団所属、ベガ隊長だぜ〜! 恐れ戦け〜」
「そんなこと言ったって、騎士団長サマが何て言うか分かんね〜ンだもんよ」
「アンタ、変なやつだよな」
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・アルタイル
15000歳¦男
一人称:僕¦二人称:あんた
現住所:観測可能宇宙、ヘルクレス座=かんむり座グレートウォール、第四百十二銀河団、過密恒星系ガヤ・ガヤ、第三惑星ごった煮
死亡回数:ベガよりはマシ
副隊長兼、ベガのお世話係、と団員たちには揶揄されている。気に入らない。
普段は穏やかで物腰柔らかだが、隊長のことになると急に荒々しくなる。多少雑に扱って良いと思ってるよな、というリゲルの言葉には散々雑に扱われてるんでね、と返していた。
電子機器の取り扱いが上手い。
「隊長〜! 置いていかないでくださいってば〜〜」
「隊長? なんですかこの報告書は。誰がこれ直すと思ってるんですか。隊長? 聞いてますか? 隊長。隊長コラ逃げんな!!!!」
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・リゲル
16600歳¦男
一人称:おれ¦二人称:オマエ
現住所:観測可能宇宙、ヘルクレス座=かんむり座グレートウォール、第四百十二銀河団、過密恒星系ガヤ・ガヤ、第三惑星ごった煮
死亡回数:数知れず
元々ごった煮で生まれ育っているが、ごった煮の喧騒が合わず、旅立つ口実として騎士団に入った。そのため、遠征の任務が好き。
しかし、他の星に行くのに危険は付き物。仕方の無いこととはいえ、何度も何度も戦っては死んでいれば嫌でも慣れてしまうものだ。
死ぬことの方が、ずっと故郷に居るよりマシなのである。
「なにやってんだあいつら……」
「たいちょ〜、おれ突っ込んで来ましょ〜か?」
「ま、死ぬのにはおれがいちばん慣れてっからナ〜」
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・スピカ
16700歳¦男
一人称:ぼく¦二人称:きみ
現住所:観測可能宇宙、ヘルクレス座=かんむり座グレートウォール、第四百十二銀河団、過密恒星系ガヤ・ガヤ、第三惑星ごった煮
死亡回数:三十五回
ベガ隊のお食事担当。三度の飯よりご飯が大好き。リゲルとは同期。
元々は料理人だったが、戦争により店が全壊。仕方なく探して見つけた職が騎士団の料理係だった。料理人にも訓練や任務があるなんて知らなかったので応募した。限界が来たらやめようと思っていたが、なぜか訓練に耐えることが出来てしまったので、やめる理由もなくズルズルと続けている。
「ていうか腹減ったっすよ〜! 飯の時間はまだすか〜? 準備しませ〜ん?」
「腹が減っては戦は出来ぬ、ってね〜。ほら、君もどうすか。美味そうでしよ」
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・アルデ
1600歳¦男
一人称:私¦二人称:あなた
現住所:観測可能宇宙、ヘルクレス座=かんむり座グレートウォール、第四百十二銀河団、過密恒星系ガヤ・ガヤ、第三惑星ごった煮
死亡回数:五回
ベガ隊の観測・記録担当であり、元人間。物静かで自分のことを深く語らないため、良くも悪くも謎の多い男である。手先が器用でものを作るのが好き。彼がごった煮で開発したものは既に数知れず、その技術を買って騎士団長が直々にスカウトしたらしい。
「私は……ただの観測係なので、お気になさらず」
「……歌は、地球に帰りたいとは思いませんか」
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Re:Garden
舞台は、廃園間近の植物園。そこで働いていたあなたは、園の再建担当として選ばれることになった。
園の管理者は「お金はいくらでも出すから! あとよろしく!」という放任スタンス。試行錯誤を繰り返しながらも途方に暮れていたあなたは、ひょんなことから幼馴染・春汐 旭(はるしお あさひ)と再会する。あなたの話を一通り聞いた彼は、自身がアイドルを目指していることを告白する――。
植物園の管理棟と温室を改装したのがシェアハウス。アイドルたちは皆、そこで暮らしている。
アイドルはデビュー時に花名と花言葉コンセプトを与えられる。
ファンの名称は花担。推し花の苗を園に植える里親制度があり、ファンが再生に直接参加できる。
舞台は、廃園間近の植物園。そこで働いていたあなたは、園の再建担当として選ばれることになった。
園の管理者は「お金はいくらでも出すから! あとよろしく!」という放任スタンス。試行錯誤を繰り返しながらも途方に暮れていたあなたは、ひょんなことから幼馴染・春汐 旭(はるしお あさひ)と再会する。あなたの話を一通り聞いた彼は、自身がアイドルを目指していることを告白する――。
植物園の管理棟と温室を改装したのがシェアハウス。アイドルたちは皆、そこで暮らしている。
アイドルはデビュー時に花名と花言葉コンセプトを与えられる。
ファンの名称は花担。推し花の苗を園に植える里親制度があり、ファンが再生に直接参加できる。































【サイトの見方】
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・TRPG
・らくがき
・UTAU
・文章
└ #宇宙の箱、しあわせのかけら 完結
└ #ふたつの翼、ひとつの空 完結
└ #TrendSync 書き途中
・漫画
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【創作カテゴリ】
・TrendSync!
・誓約郵便騎士団
・イロドリ☆リンク!
・欠片のエチュード
・座標零域
・Re:Garden
【完結済】
・宇宙の箱、しあわせのかけら
・ふたつの翼、ひとつの空
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