#宇宙の箱、しあわせのかけら 562文字 続きを読む 「これ、違くないか」 テオが設計図を指さしてそう言った。言ってから、余計だったか、と焦った。ミラのものだったからだ。 駆け寄ってきたミラは、どこが、とテオに聞く。作りたいのはデジタルな手紙をとどける機械だ。破綻している箇所を指さしつつ、上手くいかない理由を話す。ミラはなるほどと頷いて、設計図に何かを書き足し始めた。 ミラは、設計の天才だ。しかし、そのための知識は圧倒的に足りていない。だから、たまにこういう破綻がうまれる。それなのに、たまにしかうまれないから彼女は化け物なのだ。 「これでどう?」 ミラがそれを見せてくる。確認すれば、発生していた問題はあっさりと解決されていた。 「……お前、本当に、そのアイデアはどこから……」 「……? 考えたら、分かる」 不思議そうな顔でミラは首を傾げる。悔しくて黙れば、ミラは、は、と口を抑えた。 「嫌なことだった?」 「……いや、」 お前のそれに嫉妬しているだけで、嫌ではない。弁明すれば、ミラは理解したというように頷いて、それから胸を張った。 ミラのこの清々しいところは好きだった。 「でも、テオの知識は頼りにしているから」 ミラはそう言った。テオはなんとも言えない気持ちになってまた黙った。 「嫌?」 「嫌じゃないけど……」 お前と話すと劣等感が刺激されるから嫌だ。そう言えば、ミラは珍しく笑ってピースを作った。 畳む ▼本編 >250 2025.12.15(Mon) 12:43:03 創作,宇宙の箱、しあわせのかけら,文章
562文字
「これ、違くないか」
テオが設計図を指さしてそう言った。言ってから、余計だったか、と焦った。ミラのものだったからだ。
駆け寄ってきたミラは、どこが、とテオに聞く。作りたいのはデジタルな手紙をとどける機械だ。破綻している箇所を指さしつつ、上手くいかない理由を話す。ミラはなるほどと頷いて、設計図に何かを書き足し始めた。
ミラは、設計の天才だ。しかし、そのための知識は圧倒的に足りていない。だから、たまにこういう破綻がうまれる。それなのに、たまにしかうまれないから彼女は化け物なのだ。
「これでどう?」
ミラがそれを見せてくる。確認すれば、発生していた問題はあっさりと解決されていた。
「……お前、本当に、そのアイデアはどこから……」
「……? 考えたら、分かる」
不思議そうな顔でミラは首を傾げる。悔しくて黙れば、ミラは、は、と口を抑えた。
「嫌なことだった?」
「……いや、」
お前のそれに嫉妬しているだけで、嫌ではない。弁明すれば、ミラは理解したというように頷いて、それから胸を張った。
ミラのこの清々しいところは好きだった。
「でも、テオの知識は頼りにしているから」
ミラはそう言った。テオはなんとも言えない気持ちになってまた黙った。
「嫌?」
「嫌じゃないけど……」
お前と話すと劣等感が刺激されるから嫌だ。そう言えば、ミラは珍しく笑ってピースを作った。
畳む
▼本編
>250