No.486, No.485, No.484, No.483, No.[4件]
SS / 4226文字
クラスメイトは馬鹿ばかり。周りの会話をイヤホンで遮断して、教室の隅で本を読みながら和田は小さくため息を着いた。
あいつもこいつもそいつも馬鹿だ。馬鹿だから人の間で生きていける。群れの中で適応できる。
全員のことが嫌いだ。だから休み時間は苦痛だ。でも今日は――図書委員会がある!
図書室は静かで良い。それぞれ本としか話してないから、イヤホンで耳が痛くなることも無く、読書を誰かに邪魔されることも無い。
ただ――
「(今日、同じ当番は臼井か……)」
火曜日の当番、臼井。和田の後輩である彼のことが、和田は苦手だった。
*
「お疲れ様」
「お疲れ様です」
放課後。図書委員会として仕事をするべく図書室に向かうと、先に臼井が座っていた。普通に挨拶して、そのまま沈黙。臼井はおすすめ本のポップを作るのに専念していて、和田はたまに来る貸出、返却の対応をしつつ読書に勤しんでいた。
ちら、と彼の作っているポップに目を向ける。――山崎先生の「詩を書く」。詩って意外と自由で楽しい! 言葉にしたい想いを詩にしてみませんか?
「……臼井って、そういうのが好きなの」
「えっ、」
臼井と目が合う。和田は、声を掛けるんじゃなかった、と後悔した。えーっと。目線をうろつかせてから、臼井は言った。
「変、ですかね」
「別に、意外だと思っただけ。何よ、そんなに機嫌を伺わなくてもいいでしょ」
「すみません……」
謝られた。それ以上は何も言わずに読書に戻る。詩なんか、まどろっこしいだけじゃない、と言うのは、流石に言わなかった。
「あの、先輩」
珍しく、臼井から声が掛かった。出来上がったポップを持ち上げて、無理だったらいいんですけど、前置かれる。
「今日、山崎先生の新しい本が出るんです。なので、早めに帰ってもいいですか?」
和田はため息をついた。それだけで臼井は慌てたように謝り出すので、違う、とそれを制する。
「そんなの、好きにしなさいよ」
「あ、ありがとうございます……」
イライラとして仕方がなかったのが伝わったのか、それ以降、臼井は話しかけてこなかった。
臼井は言葉を選びすぎる。それどころか、時に飲み込みすぎることがある。そうやって言葉を選ぶから誰にも伝わらないのに。
そういう態度がまどろっこしくてもどかしくて、とても好きにはなれかった。
伝わらなくて悲しくないのかしら。悔しくないのかしら。もしそうじゃないのなら、彼の言葉は何の為にあるの?
そんなことをふと考えても、もうよく分からなくて、和田は大人しく読書に没頭することにした。
*
チャイムが鳴る。図書委員会の仕事は終わりの時間だ。片付けをして、見回りをして、軽く掃除、戸締りをする。そこまでは一緒にやる、と臼井が言ったので、仕方なく和田は一緒に片付けをすることにした。
そこで、バタバタと駆け込んできた生徒がいた。
「臼井、ここに居た! なあ、お願いなんだけど、ちょっと今日の掃除変わってくんない?」
「え……」
慌てて声を掛けて来たのは臼井のクラスメイトのようだった。ヘラヘラとした態度で、曰く、今日は友人と遊ぶ予定を入れてしまったんだ、と。――それ、この間も言ってたな、と和田は思った。
気に入らない。和田は足音を立てて彼に近付いた。
「臼井は今日、ナントカ先生の新作発表があるから早く帰りたいんですって」
空気が固まるのがわかった。それでも言わなきゃ分からないだろう、と和田は続ける。
「あなた、この間も同じ言い訳をしてなかった? バレたくないならバリエーション増やしなさいな。そもそも仕事は仕事。それはあなたがやるべきでしょ」
「い、いやあ……? お願いしますよ、友達が待ってるんすよ、先輩」
めげない田口に呆れたように和田はため息を着いた。臼井は固まってしまって何も言えないようだった。
「そんなに大切なお友達は、あなたのことを待とうともしてくれないって言うの? 手伝って貰ったらいいじゃない。友達を理由にサボりたいだけでしょ、恥ずかしい」
田口は、分かりやすくむす、とした顔をして、何かを言い返そうとしたが、この場において正しいのは和田だった。分が悪い。そう思ったのか、それ以上は何も言わず大人しく引き下がった。
「あんたもさっさと帰んなさいよ」
またあんなのに捕まらないようにね。そっけなく言った和田に対して、臼井は困ったように言葉を吐いた。
「あんな言い方しなくても……」
「なによ」
「……」
しん、と空気が落ちる。和田はイライラした様子で臼井を見た。
「気に食わないならちゃんと言いなさいよ。そうやって黙ってるから伝わらないんでしょ」
「伝わればいいってもんじゃないでしょ」
「じゃあ何、自分が我慢すればいいって?」
ぐ、と言葉に詰まった。図星のようだ。
「そうじゃないですけど……」
「じゃあ、なによ」
イライラして仕方がない。和田はもう止まれなかった。
「そんなんだからなよなよしいって言われるのよ」
「……和田先輩に何が分かるんですか」
「何も分からないわ。あなたは伝える気がないみたいだから」
言葉が止まらない。臼井はかっとした様子で、珍しく声を荒らげた。
「そんなこと言って、先輩だって、伝えようとしてない。対等に話し合おうって思ってないでしょ。どうせ伝わらないって思ってる、いつもそう! そんなんだから怖がられるんですよ、傷つけるんですよ、なんでわかんないんですか!」
沈黙。言ってしまった、といった様子だった。和田は、自分が思ったより冷静なことに驚いていた。彼はそのままこちらを見ずにカバンを引っ掴んだ。
「――すみません、帰ります。」
そのまま、逃げるように図書室を出て行った。
和田はそれを見送ってから、大人しく家に帰ることにした。
「(対等に話し合おうって思ってない、か)」
その通りだった。それでもいつか対等になりたい、と思っていたのを見透かされていたのがなんだか痛くて、それでも受け止めるしかなくて、苦しかった。
*
「和田ちゃんが急に怒った!」
急じゃない。何回も言った。そう訴えようとして、声が出なかった。
「そんなふうに言わないで、ほら、お菓子を食べましょ」
もっと深刻に受け取って欲しかった。私はそれほど嫌だったんだ、と訴えたくても、声が出ない。
――ああ、夢だ。これは、悪夢だ。
言葉は選ばない方が良い。だって、そうじゃないと伝わらない。有耶無耶にされる。私のこの感情は、無かったものになる。
それが嫌だったから、言葉を選ぶのをやめた。
「どうせ伝わらないって思ってる!」
臼井の言葉がリフレインする。そりゃそうでしょ、伝わらなかったんだから。声は出てこない。そうやって足掻いているうちに、気付いたら涙が出た。ようやく出した泣き声で目が覚めた。――朝だ。
*
不快な気持ちで目覚めて、そのまま学校に行く。何があっても日常は続いていくのが恨めしかった。
クラスメイトは変わらず馬鹿をやっているし、放課後に図書室に行けば静かに本が読める。全部変わらずだ。
「臼井、あいつ、結局なんにも言わねえんだもん。よく分かんねえよな」
ふ、と声がして足を止める。彼のクラスメイトだ。
「まあでも、それが都合良かったんじゃなかったっけ?」
「それがさあ、なんかあいつも用事あったみたいで。知らん先輩に怒られたよ、もう、俺が悪者!? みたいな! あの先輩スゲーこえーし、スゲー嫌な言い方すんの!」
「え〜、まあ、お前が悪いよ」
「ひでー!」
む、として、このまま姿を現してなにか言ってやろうかと思って、やめる。自分が何に怒っているか分からなかった。
和田は、そのまま踵を返した。一人で考え事がしたくて、静かな場所を探すことにした。
真っ当だった、と思う。それで臼井が利用されることは不当だが、それでも、何も言わないからよく分からない、という評価自体はそこまで怒るようなものではない気がした。
――気に食わないならちゃんと言いなさいよ。そうやって黙ってるから伝わらないんでしょ。
過去の自分の言葉が頭を反響している。そう思った。思っていた。じゃあ頭を渦巻くこのいらだちはなんだ?
私が、正しいと思う。正しくなければなんだ。間違っていたと言いたいのか。頭の中の自分に強気に出てみても相手は自分、水掛け論だ。
私は、なにかを間違っている?
そう思ってしまったが最後、臼井と顔を合わせるのがなんだか気まずくて、そのままその週は彼を避けた。
それでも正しい答えはわからなくて、気付けば図書委員会の日が迫っていた。
ばたり。
「あ」
「は?」
教室に向かうため、階段を上っていると、降りてくる臼井と目が合った。舌打ち。そのまま上がっていこうとすれば、後ろから声がかけられる。
「待って、和田先輩」
「!」
そのまま臼井がなにか言おうとするので、慌てて走って階段を上がった。だって、まだ、答えも出てないのに!
ばたばたばたばた。廊下を二人分の足音が反響する。臼井が待てと言っている。教師が廊下を走るな、青春か、と茶々を入れた。
そんな可愛いものじゃない! と悲鳴をあげたい気持ちを抑えて走る。それでも体力はそんなにあるほうじゃなくて、階段から転げ落ちそうになって――臼井が腕を掴んで止めた。
息を整える。二人揃ってぜえぜえはあはあしているので、周囲の生徒は不思議そうにそれを眺めた。
「はあ……先輩、ちゃんと聞いてくださいよ」
「は、はあ……っ、嫌よ、だって、私」
「いいから、俺だって謝りたいんですよ!」
和田はようやく臼井を見上げた。彼はそれで安心したように手を離して、
「ちゃんと言うから。……すみませんでした」
瞬き。
「言葉が過ぎました。でも、間違ってたとは思ってない。俺も先輩も間違ってて、俺も先輩も正しいこと言ってると思う」
だから、とそこで臼井は息を吸った。
「先輩の良いところは見習います。ちゃんと相手に伝えたいと思ってるとことか。なので、今に見てろ、って気持ちです」
和田は、口をぱくぱくとさせた。目から鱗、青天の霹靂。そんな答えで、いいのか。いいのか?
「は、はは……」
思わず笑いが漏れた。なんだ、そんな答えでもいいのか!
「すっ……ごい、ムカついた! けど、そうね、アンタが正しいわ」
和田は、にい、と笑った。
「じゃあ、私もなるべく言葉を選ぶようにするわ。対等になりたいもの」
臼井は安心したように笑った。笑って、からかうように言った。
「ま、いつでも相談には乗るんでね」
「はあ!? 調子に乗るんじゃないわよ」
二人して睨み合って、そして同時にあはは、と笑った。あの日の自分が、少しだけ報われた気がした。
「(――次は間違えない)」
畳む
クラスメイトは馬鹿ばかり。周りの会話をイヤホンで遮断して、教室の隅で本を読みながら和田は小さくため息を着いた。
あいつもこいつもそいつも馬鹿だ。馬鹿だから人の間で生きていける。群れの中で適応できる。
全員のことが嫌いだ。だから休み時間は苦痛だ。でも今日は――図書委員会がある!
図書室は静かで良い。それぞれ本としか話してないから、イヤホンで耳が痛くなることも無く、読書を誰かに邪魔されることも無い。
ただ――
「(今日、同じ当番は臼井か……)」
火曜日の当番、臼井。和田の後輩である彼のことが、和田は苦手だった。
*
「お疲れ様」
「お疲れ様です」
放課後。図書委員会として仕事をするべく図書室に向かうと、先に臼井が座っていた。普通に挨拶して、そのまま沈黙。臼井はおすすめ本のポップを作るのに専念していて、和田はたまに来る貸出、返却の対応をしつつ読書に勤しんでいた。
ちら、と彼の作っているポップに目を向ける。――山崎先生の「詩を書く」。詩って意外と自由で楽しい! 言葉にしたい想いを詩にしてみませんか?
「……臼井って、そういうのが好きなの」
「えっ、」
臼井と目が合う。和田は、声を掛けるんじゃなかった、と後悔した。えーっと。目線をうろつかせてから、臼井は言った。
「変、ですかね」
「別に、意外だと思っただけ。何よ、そんなに機嫌を伺わなくてもいいでしょ」
「すみません……」
謝られた。それ以上は何も言わずに読書に戻る。詩なんか、まどろっこしいだけじゃない、と言うのは、流石に言わなかった。
「あの、先輩」
珍しく、臼井から声が掛かった。出来上がったポップを持ち上げて、無理だったらいいんですけど、前置かれる。
「今日、山崎先生の新しい本が出るんです。なので、早めに帰ってもいいですか?」
和田はため息をついた。それだけで臼井は慌てたように謝り出すので、違う、とそれを制する。
「そんなの、好きにしなさいよ」
「あ、ありがとうございます……」
イライラとして仕方がなかったのが伝わったのか、それ以降、臼井は話しかけてこなかった。
臼井は言葉を選びすぎる。それどころか、時に飲み込みすぎることがある。そうやって言葉を選ぶから誰にも伝わらないのに。
そういう態度がまどろっこしくてもどかしくて、とても好きにはなれかった。
伝わらなくて悲しくないのかしら。悔しくないのかしら。もしそうじゃないのなら、彼の言葉は何の為にあるの?
そんなことをふと考えても、もうよく分からなくて、和田は大人しく読書に没頭することにした。
*
チャイムが鳴る。図書委員会の仕事は終わりの時間だ。片付けをして、見回りをして、軽く掃除、戸締りをする。そこまでは一緒にやる、と臼井が言ったので、仕方なく和田は一緒に片付けをすることにした。
そこで、バタバタと駆け込んできた生徒がいた。
「臼井、ここに居た! なあ、お願いなんだけど、ちょっと今日の掃除変わってくんない?」
「え……」
慌てて声を掛けて来たのは臼井のクラスメイトのようだった。ヘラヘラとした態度で、曰く、今日は友人と遊ぶ予定を入れてしまったんだ、と。――それ、この間も言ってたな、と和田は思った。
気に入らない。和田は足音を立てて彼に近付いた。
「臼井は今日、ナントカ先生の新作発表があるから早く帰りたいんですって」
空気が固まるのがわかった。それでも言わなきゃ分からないだろう、と和田は続ける。
「あなた、この間も同じ言い訳をしてなかった? バレたくないならバリエーション増やしなさいな。そもそも仕事は仕事。それはあなたがやるべきでしょ」
「い、いやあ……? お願いしますよ、友達が待ってるんすよ、先輩」
めげない田口に呆れたように和田はため息を着いた。臼井は固まってしまって何も言えないようだった。
「そんなに大切なお友達は、あなたのことを待とうともしてくれないって言うの? 手伝って貰ったらいいじゃない。友達を理由にサボりたいだけでしょ、恥ずかしい」
田口は、分かりやすくむす、とした顔をして、何かを言い返そうとしたが、この場において正しいのは和田だった。分が悪い。そう思ったのか、それ以上は何も言わず大人しく引き下がった。
「あんたもさっさと帰んなさいよ」
またあんなのに捕まらないようにね。そっけなく言った和田に対して、臼井は困ったように言葉を吐いた。
「あんな言い方しなくても……」
「なによ」
「……」
しん、と空気が落ちる。和田はイライラした様子で臼井を見た。
「気に食わないならちゃんと言いなさいよ。そうやって黙ってるから伝わらないんでしょ」
「伝わればいいってもんじゃないでしょ」
「じゃあ何、自分が我慢すればいいって?」
ぐ、と言葉に詰まった。図星のようだ。
「そうじゃないですけど……」
「じゃあ、なによ」
イライラして仕方がない。和田はもう止まれなかった。
「そんなんだからなよなよしいって言われるのよ」
「……和田先輩に何が分かるんですか」
「何も分からないわ。あなたは伝える気がないみたいだから」
言葉が止まらない。臼井はかっとした様子で、珍しく声を荒らげた。
「そんなこと言って、先輩だって、伝えようとしてない。対等に話し合おうって思ってないでしょ。どうせ伝わらないって思ってる、いつもそう! そんなんだから怖がられるんですよ、傷つけるんですよ、なんでわかんないんですか!」
沈黙。言ってしまった、といった様子だった。和田は、自分が思ったより冷静なことに驚いていた。彼はそのままこちらを見ずにカバンを引っ掴んだ。
「――すみません、帰ります。」
そのまま、逃げるように図書室を出て行った。
和田はそれを見送ってから、大人しく家に帰ることにした。
「(対等に話し合おうって思ってない、か)」
その通りだった。それでもいつか対等になりたい、と思っていたのを見透かされていたのがなんだか痛くて、それでも受け止めるしかなくて、苦しかった。
*
「和田ちゃんが急に怒った!」
急じゃない。何回も言った。そう訴えようとして、声が出なかった。
「そんなふうに言わないで、ほら、お菓子を食べましょ」
もっと深刻に受け取って欲しかった。私はそれほど嫌だったんだ、と訴えたくても、声が出ない。
――ああ、夢だ。これは、悪夢だ。
言葉は選ばない方が良い。だって、そうじゃないと伝わらない。有耶無耶にされる。私のこの感情は、無かったものになる。
それが嫌だったから、言葉を選ぶのをやめた。
「どうせ伝わらないって思ってる!」
臼井の言葉がリフレインする。そりゃそうでしょ、伝わらなかったんだから。声は出てこない。そうやって足掻いているうちに、気付いたら涙が出た。ようやく出した泣き声で目が覚めた。――朝だ。
*
不快な気持ちで目覚めて、そのまま学校に行く。何があっても日常は続いていくのが恨めしかった。
クラスメイトは変わらず馬鹿をやっているし、放課後に図書室に行けば静かに本が読める。全部変わらずだ。
「臼井、あいつ、結局なんにも言わねえんだもん。よく分かんねえよな」
ふ、と声がして足を止める。彼のクラスメイトだ。
「まあでも、それが都合良かったんじゃなかったっけ?」
「それがさあ、なんかあいつも用事あったみたいで。知らん先輩に怒られたよ、もう、俺が悪者!? みたいな! あの先輩スゲーこえーし、スゲー嫌な言い方すんの!」
「え〜、まあ、お前が悪いよ」
「ひでー!」
む、として、このまま姿を現してなにか言ってやろうかと思って、やめる。自分が何に怒っているか分からなかった。
和田は、そのまま踵を返した。一人で考え事がしたくて、静かな場所を探すことにした。
真っ当だった、と思う。それで臼井が利用されることは不当だが、それでも、何も言わないからよく分からない、という評価自体はそこまで怒るようなものではない気がした。
――気に食わないならちゃんと言いなさいよ。そうやって黙ってるから伝わらないんでしょ。
過去の自分の言葉が頭を反響している。そう思った。思っていた。じゃあ頭を渦巻くこのいらだちはなんだ?
私が、正しいと思う。正しくなければなんだ。間違っていたと言いたいのか。頭の中の自分に強気に出てみても相手は自分、水掛け論だ。
私は、なにかを間違っている?
そう思ってしまったが最後、臼井と顔を合わせるのがなんだか気まずくて、そのままその週は彼を避けた。
それでも正しい答えはわからなくて、気付けば図書委員会の日が迫っていた。
ばたり。
「あ」
「は?」
教室に向かうため、階段を上っていると、降りてくる臼井と目が合った。舌打ち。そのまま上がっていこうとすれば、後ろから声がかけられる。
「待って、和田先輩」
「!」
そのまま臼井がなにか言おうとするので、慌てて走って階段を上がった。だって、まだ、答えも出てないのに!
ばたばたばたばた。廊下を二人分の足音が反響する。臼井が待てと言っている。教師が廊下を走るな、青春か、と茶々を入れた。
そんな可愛いものじゃない! と悲鳴をあげたい気持ちを抑えて走る。それでも体力はそんなにあるほうじゃなくて、階段から転げ落ちそうになって――臼井が腕を掴んで止めた。
息を整える。二人揃ってぜえぜえはあはあしているので、周囲の生徒は不思議そうにそれを眺めた。
「はあ……先輩、ちゃんと聞いてくださいよ」
「は、はあ……っ、嫌よ、だって、私」
「いいから、俺だって謝りたいんですよ!」
和田はようやく臼井を見上げた。彼はそれで安心したように手を離して、
「ちゃんと言うから。……すみませんでした」
瞬き。
「言葉が過ぎました。でも、間違ってたとは思ってない。俺も先輩も間違ってて、俺も先輩も正しいこと言ってると思う」
だから、とそこで臼井は息を吸った。
「先輩の良いところは見習います。ちゃんと相手に伝えたいと思ってるとことか。なので、今に見てろ、って気持ちです」
和田は、口をぱくぱくとさせた。目から鱗、青天の霹靂。そんな答えで、いいのか。いいのか?
「は、はは……」
思わず笑いが漏れた。なんだ、そんな答えでもいいのか!
「すっ……ごい、ムカついた! けど、そうね、アンタが正しいわ」
和田は、にい、と笑った。
「じゃあ、私もなるべく言葉を選ぶようにするわ。対等になりたいもの」
臼井は安心したように笑った。笑って、からかうように言った。
「ま、いつでも相談には乗るんでね」
「はあ!? 調子に乗るんじゃないわよ」
二人して睨み合って、そして同時にあはは、と笑った。あの日の自分が、少しだけ報われた気がした。
「(――次は間違えない)」
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日記まとめ 時系列はバラバラ
世に出す作品の中に、あんまり気に入ってないものがある。
上手くできなかったとか、もっとやれるなとか、そういう向上心が元である。
でも、世に出す。それはとりあえずでも作品として形になったものだから。反応が来る。他者の需要と自分の需要はイコールでないことを知る。次に活かす。私にとってインターネットはこの繰り返しだ。
作品。私にとっては、絵だったり、漫画だったり、はたまた文だったり、詩だったり、短歌だったり。いろいろある。
絵と漫画には目標がある。簡単に、それをいつか自身の職にする、というものだ。それ以外には無い。でもなんとなく歌人にはなりたい。なりたいが、目標として掲げるには、自分の中では現実味が無い。
絵の話をする。幼少の頃から絵が好きで、ずっと絵を描いて生きてきた。逆に、それ以外のことはあまりしてこなかった。勉強とか。これは悔やんでいる。今からでも遅くない。そらそうだ。でも当時の無垢な私が学ぶことに今から学ぶこととは違う意義があったように思う。まあ、今から学ぶことにもそれとは違う意義がある。それはそうと、悔やんでいる。が、時は戻らないので諦めている。
文章も、あまり書いてこなかった。小学校の頃は好きだった。本の虫だった。本を読まなくなって、絵を描くことに没頭するようになってから、そのスキルは衰えたと思う。
考えていることや、気持ちを言葉にするようになったのも、最近のことだ。他者の気持ちを理解できるようになったのもわりと最近だ。
だから、私の短歌は拙いはずだ。もっと上手な言葉がきっとあると私は思う。好いてくれる人はありがとう。これは向上心の話だから、どうか一旦聞いて欲しい。私は私の短歌を拙いと思っているが、私も私の短歌は好きだ。
すごく昔、私の絵って素晴らしい、という話をしていたら、満足したらそこで止まっちゃうよと言葉が返ってきたことがある。正しいと思う。その言葉が出るのもわかる、なんせ下手だったから。でも私は私の絵に満足していたわけではなく、ただ今の絵も好きだという話がしたかった。
もっと上手くなれる。常にこれだ。満足する日はきっと来ない。創作物に対して、模索するのが好きだ。試行錯誤の日々が好きだ。その記録をつけるのも結構好きだし、見返すのも好きだ。
創作物に良いも悪いもなければ正解も不正解も無い。ただ、私はもっと上手くやれると思っている。ただそれだけの話である。
ーーー
・空を飛ぶ宇宙に行ける音が鳴るあなたのことを可能性と呼ぶ
簡単な短歌だなと思う。解説することもそんなに多くはないけど、なんとなく話してみたかったので書いてみる。
私は創作で空を飛びたがる。地上に留まるよりも自由な気がするからだ。ロマンでもある。美しい空を全部背負って駆けることが出来たら、どれだけ気持ち良いだろうと想像しては焦がれている。
宇宙にロマンを感じる。今だ、私たち人間の範疇では、知らないこと。分からないこと。実は他の生命体がいるかもしれないとか、綺麗な 星々も、恒星も、綺麗で見惚れてしまう。実はこれは畏怖なのかもしれない。それでも焦がれる。死ぬまでに月に行きたい。別に死んでからでもいい。
宇宙では音は鳴らない。震えるものがないから。それでも人類は、宇宙の、地球外の誰かに地球のことを知らせるために音楽を選んだ。
地球の外でも音楽が鳴れと夢を見る。音楽で世界は救われなくてもなにか通じ合うものがあれと願う。
全ては想像だ。妄想で、妄言で、現実味のない幻想だ。それが創作であると私は思う。
それを可能性と呼びたくて、この短歌を詠んだ。
ちょっと前に詠んだ短歌に、ここにある話のいくつかの要素が入っている。
・空飛びたい!いっぱい青を背負ってさ風になったらスキップしちゃお
・信じてる震える空気がなくたってなにかに震える心があると
創作の中ではロマンは自由だ。好きなだけ表現して良くて、そのロマンは、誰にも馬鹿にされるべきではない。
だから、創作を愛している。誰にも認められない世界を、誰かに笑われてしまうような世界を、愛しているのだと叫べるから。
ーーー
自分だけの星を欲している。ダジャレみたいだが、これは至極真面目な話なのだ。
安らぎの形は人それぞれだし、救いの形も人それぞれだから、この世にないなら作ればいいと思った。
人間の真似事をしている気分だと言葉にした。やってはいけないこともやるべきこともこうすれば誰かが喜ぶとかも、全部が全部打算でしかなくて、そこに私の本意はないのかもしれないと思った。だから、他の星から来たとかだったら良かったなと思ったのがこの話のきっかけだ。どこかに帰る場所があるなら、なにか目的のためにそうせざるを得ないなら、人間の真似事だって楽しいのかもしれないな、と。
ずっと帰る場所を欲している。暖かくて優しくて時に厳しくてもいつでも受け入れてくれるって信じられるような場所が欲しい。
自分の中に留めておくなら吐きたい言葉を吐いていいし、誰にでも邪魔されない創作があってもいい。頭の中は自由だから。私は自由だから。
死んだらそこに還り着きたいと祈る。これは、自分だけの宗教みたいなものなんだと思う。
目的を決めよう。何がいいかな。無難に侵略のため?
でも自分だけの星に他の人はいない。救いの中に他の人を入れると絶対的じゃなくなるから。私は侵略は望んでない。しいて言うなら、一人が寂しい。
じゃあ、交信のため。あるいは、学びのため。学びのためがそれらしいかも。勝手に発展した星の技術を行使して、観測した、地球という星の人間という生き物と交流したかった。いいじゃん。
帰る場所である星には何があるかな。花の枯れた花畑があるといいな。私が管理を怠っているから花も咲かないけど、いつか芽吹く日が来るんだ。私が自分の星の管理に興味を持ったから。
あとは、ポストがあるといいな。ポストがあるってことは家もあんのかな。もし私が先に死んだら、観測可能宇宙/うしかい座ボイド/座標零域/孤立恒星系アステリア/惑星碧海号まで手紙を送ってね。家でゆっくり読むよ。
家には簡単にノートとペンとインク、あとベットがあって、私は眠ることで旅をしている。もちろん、疲れたら旅をしないこともできる。そういう時は目を覚まして、ノートに向き合って記録したり、考え事をしたり、創作をしたりする。別に眠らなくても生きていけたらいい。帰ってきてしまえば、私はもう宇宙人で、地球の人間ではないのだから。
自分だけの星を作ろう死んだ時いつか迷子にならないように
私という醜い生き物それをただ受け止めてくれる揺り籠、が星
帰り着く星には何も無ければいい花とか咲かせられたことないし
思い出もなければいいなそれならば悲しみなんていらないからさ
欲しいのは住所、名義と眠りだけいつか書いてね、手紙、約束
無いものを、特に自分で創っている物を、ただ愚直に信じて生きるのは、世間一般的には多分ありえない話なんだろうなって思うけど、たまにそれを一緒にそうなんだって思ってくれる人と出会うと嬉しいよね。私は、これからも大丈夫になれるように、自分だけの星を自分だけの宗教にするんだと言って、いいね、と言われたのがただ嬉しかったんだ。
皆さんも自分だけの星を作ってみませんか。人間社会になじむのは大変だけど、宇宙には自分の還る場所があって、いつか星に帰れるかもしれないって思うだけで、私はちょっと楽になったから。普通に創作として出してくれたっていいよ。みんなはどんな星だったら住みたい?
私は、自分の星に好きなものを詰め込むことはしなかったけど、それは身軽でいたいからで、人によっては好きな物全部持って帰っちゃうのかもしれないなとか、想像するだけで楽しいので。気が向いたら教えてね。
ーーー
自分が落ち込みたい気分であるがためにこちらの強さを理由にしないでもらっていいか? とはずっと思ってるらしいよ
こちらにはこちらなりのそうなった理由があるわけじゃん 別になりたくてなった訳じゃないのよ私だって
慰められチヤホヤされたいのは勝手だけど人を勝手に悪者ポジに置かないでもらっていい? 私、あなたになんかしたかしら
なんかやわらかさを武器にしてて嫌ね〜って思っていま〜す!!!
それは優しさの搾取と何が違うんだ?
ーーー
可哀想であればあるほど人は味方をしてくれると知っているので意図的にそう見せているところはあるな、と思う。事実を曲げるのは嫌いだからそれだけはしてないつもり。だけど、だから、可哀想は侮辱だと言う人の心がよく分からないし、可哀想を武器にしなくても生きてこれたならいいことなんじゃない、って妬ましく思う時もある。
可哀想を武器にしないと全うに扱ってもらえなかったんだよな。私って賢いガキだから本当に苦しい時だって隠せちゃったし、馬鹿なガキだったから本当に苦しいんだってわからなかった。
同情して優しくしてね。私が欲しいのは常に優しさとか愛とかそういうものだからいつまでもこのまま可哀想を武器にするんだろうな、たとえ安くてもその場しのぎにはなるから。
こんなチラシの裏のらくがきに声を掛けてくれる方は、私が寂しいのは愛情とかそういうものを受け取る器が壊れているからであって別に愛されていないと思っているわけではないので、あまり気にしないでくださいね。それはそうと嬉しい。ありがとう。
言葉をかけて貰えるのは嬉しいよ。もっと素直に受けとって満足できたらいいのにね〜。
なんだかなあ、なんだかな。私が周りに愛されていることは知っているんだ。知っているけれども受け取れないんだ、よく分からなくて。形だけ受け取らせてもらっている。そういうものがあるという知識はあるけれど実感がなくてずっと怖い、よく分からないから。
でもそれをそうだとするとあなたの愛を否定してしまう気がしてもっとこわい。
暖かいものに触れるのは怖い。今までずっと冷たい場所にいたみたいな錯覚を覚えるから、それは知りたくない。知りたくないけど欲しい。だから可哀想を振りまいて軽い愛を受け取って満足している……。
届いてない訳では無いと思うんだ。確かに私はそれを暖かいものだと認識しているし、触れて受け入れようとしている。だから、たぶん、成長痛なんだよな……。
私も、それが愛かどうかはさておき、相手が受け取る/受け取らないのどちらを選んでもこの好意的な感情は変わらない、みたいな状態にはわりと覚えがあるから、向けることはできるんだよな。
向けることができるなら、私はたしかにそれを知っているのにな〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!! 難しいね。
ーーー
今日は打ち合わせがあったのだけれど、私の力不足であなたを燻らせてしまっている、と言われてしまってもう本当に申し訳なかった。そんなことはない。少なくとも無駄ではなかったので、どうかそんな風に自分を責めないで欲しいと思った。力不足はこちらも同じだ。
描きたいものと描けるものとそれはそうと好きなものはそれぞれ違うなと思うから仕方の無いことなのだろう、とも思う。いや、でも、本当に良い人だな……(しみじみ)
ーーー
らくがきで納得できるラインと「絵」として認められる(納得できる)ラインは全然違うよね〜みたいな話をした。自分で言っておいてめちゃくちゃ納得したので日記に書いちゃう。ボツになった絵もらくがきとしてなら悪くないなって思うし……。
でもその分らくがきがお絵描きにカウントされてなくて毎日最近お絵描きしてないなあって思う。らくがきだけなら毎日描いてるから全然嘘だ。私は自分が納得できるものを描くことをお絵描きと呼んでいるんだろうな。もっと描きたいですね……。
ーーー
今日は一日何もしなかった。嘘。お絵描きをしながらちょっと人と喋って遊びの予定を立てた。絵を描けるのも人と遊べるのもなんだか嬉しい。なんだか嬉しいから、買ってきたバゲットをこんな深夜に食べてしまった。初めて食べるマーマレードはあんまり口には合わなかった。踊り出したいような喜びがその残念さを上回っていて、マーマレードを初めて食べたのが今日で良かったと思った。
ーーー
プリティーリズム・オーロラドリームで育ったから「ママやパパには内緒で」の概念がとても好きだ。だからフィクションでまで子供は大人が守るべきものだと言われるとウーンと思う。それってとっても窮屈だ。立派な大人という概念に偶像みを感じている、そんなものはどこにも存在しないというのにSNSではそればかりを追い求められていて大人って窮屈だなと子供みたいに思う。本当に自分がそれになれると思っているんだろうか。大人として完璧であれると思っているんだろうか。自分が出来ないことは人に強制しないと小さい頃躾られたのを思い出したりとかする。正しいがあれは過度だったと思う。
ーーー
嫌な事ばかりが言葉になる、自分がされて嬉しいことはあんまり言葉にならないのに
ーーー
これはなんか見たの文章です。
SNSの一部の人々って、親という存在を万能だと思い過ぎているなあとおすすめタイムラインを見ながら思ったので、書き出してみる。
みんなは忘れてしまったかもしれないが、親というものも自分達と同じ人間だ。強いて言うなら、自分たちよりちょっと大人なだけだ。大人だからそうあるべき? であれば言葉を変えよう。子供の延長線にあるのが大人だ。私たちと同じように、彼らもまた子供だった。私たちと同じ物質で出来ていて、同じよう中身を持っている、同じ生命体だ。
自分が親になることを想像してみて欲しい。私は、言うことを聞かない子供を怒鳴りつけない自信はないし、不登校になった子供に笑って接することが出来るかも分からないし、突然八つ当たりをされたらこちらも何かをぶつけてしまいそうだ。
しかも、それだけ頑張って何にもならないのだ。形に見える成長は子供が大人になるだけ。
考えてもみてほしい。そうやって育てた子供に嫌われたり、心無い言葉を投げつけられたり、SNSでああだこうだと言われたりする親の気持ちを。
補足するが、もちろん虐待は良くない。子供を産む以上それを保護し生かす責任が伴うのは事実であるから、そういう話は今はしてない。
私たちは子供の時、言葉を知らないから親になにかを伝える術を持たない。あれが嫌だったな、これが嫌だったな。こうすればよかった、ああすればよかった、など、不満はもちろん沢山あると思う。私もある。でも何も考えずにこちらの不満ばかりをぶつけるのは、子供から成長出来ていないのではないか思う。
家族だから理解して当然、という言説があるが、あれは幻想だ。家族とて別個体。言葉にしなければ伝わらないことは伝わらない。
親は、きっと、それでも愛していたつもりなんだ。家族として、あなたの成長のためになにかをしてくれたなら。それがこちらにとって良くなかったとしても、愛していたつもりだったのだろうという事実だけは認めてやってくれないか。
親は職業ではないんだ。これらを無給でやっているんだ。家族だからって見放されない訳じゃない。
もちろん、親が完全に悪いパターンもあるだろうが……。
親も一人の人間だ。自分と同じで、間違いだらけで、それでも上手く生きようとしているだけの、ただ一人の人間だ。
私たちと彼らは、生まれてきた時代が違うから、分かり合えないこともあるかもしれない。考えることも、感じてきたことも違うから、話しても仕方ないかもしれない。
でもせめて、話し合う心持ちを持って欲しい。なんのために言葉があると思ってるんだ。
親はあなたを育てる為だけに作られた万能な装置じゃない。覚えて帰ってくれ。
ーーー
私が誰かに愛されるために見せる形を変えなければならなかったことが許される環境が目に見えるところにお出しされて不快なんだろうな
でもこれってあくまで許容であって受容ではないと思うからいつか離れていく人間関係に過ぎないんだと思うよ
人に優しくできない、もう、誰にも
出来ないことを出来ないからと諦めるな それを認めてくれるな 私がやってきた血のにじむような努力が否定された気になるから良くない
全部が言葉になってしまった 見えるようになってしまったんだよ
ーーー
人によっては厳しい話かもしれないから、落ち込んでいる自覚がある人は読まない方が良いです。誰かや何かの悪口とかでは決してない。
これは私が知った現実の話でしかないから、あなたの周りは違うかもしれないし、必ずしも全てが当てはまる訳では無いと思って読んでね。
傷ついた時、私たちは他人に救いを求めてしまうけど、それに完璧に寄り添ってくれる他人は多少無茶していることが多いな、と思っています。
人が傷つくのには沢山の理由があるな、と思っています。自分にも、相手にも。傷つける側にも事情はあるし、思ってることもあるし、そうなるに至った環境がある。逆に、傷つけられる側にも事情があって、思ってることがあって、環境がある。だからこそ、それらが噛み合わなかった時に双方に傷が生じるな、と思っていて、だからこそ、傷つくのは確かにあなたのせいでは無い、と言えます。
でも逆に、100%傷つけた誰かのせいであるか、と言われたら、そうではない、と思うんです。
生きていく上で、自我というのは環境やそれまで受けてきた扱いで変化します。そこから理性が育ち、それが何を選びとるかが揺れるから私たちはそれぞれ違う思考を持ちます。
極端な話。例えば、家族から虐待を受けていた子供が、親を害することがあったとして、この場合は子供は100%の悪か、と言われたら、そうではない、と言えると思います。
では、家族は? もしかしたら、何らかの理由でその家族にも余裕がなかったかもしれません。
こんなに極端ではなくても、世の中の悪意は全てこういうものだと思っていて、相手を100%の悪にはしてはいけない、と私は思っています。もちろん、こちらを害することはこちらにとって良くないことなので、それに怒りを覚えたり、その後の扱いを考えたりは勝手にしたらいいですが、それでも相手は100%の悪では無いと知っておいた方が良い、と思います。
話を戻します。これは昔、私が知ってしまった事なのですが、例え自分がどれだけ傷ついて、どれだけ壊れてしまっても、その傷の責任の所在は相手にも自分にもないことを、知ってしまいました。
そうなった時、自分の尻を拭けるのが自分だけだった。自分を守るのは自分だけで、自分の人生とかいうものの責任を取れるのも、自分だけでした。
そして、他人に救いを求めるのは、他人に自分の尻拭いをさせていることに他ならない、と考えます。
多少誰かに慰めてもらう。話を聞いてもらう。結構です。素晴らしい交友関係があって良いと思います。でも、そればかりが気持ちよくなっては、良くない。それは依存と近い。
依存してはいけないの? と思われるかたがいるかもしれませんが、双方が同じだけ寄りかかって、ずっと一緒に生きていく、というのは本当に、とても難しいです。どれだけ言葉を尽くしても。
どうしてもそのバランスは崩れてしまう。依存し合うほど気が合って仲良くできる友人を、簡単に無くすことになる。
だから最初からそうでない方が良い、というのが、私の人生経験からの結論です。
なんとなく、そういう危うさを感じる方がサーバーに多くて、でも面と向かっては言葉にしにくくて、がーっと書き出してみましたが、これがなにかの思考の参考になればいいなと思うばかりです。
同じ答えでなくてもいいので、もし、気が向いたら思考を共有してください。
ただ、私と同じように傷ついて、ひとりぼっちで耐えるこどもが減るように、という思いで書きました。
サーバーに書いたように、これは私が知った現実の話でしかないから、あなたの周りは違うかもしれないし、必ずしも全てが当てはまる訳では無いと思って読んでね。デカキスやね。あなたのすこやかな安寧を祈ってるよ。
畳む
世に出す作品の中に、あんまり気に入ってないものがある。
上手くできなかったとか、もっとやれるなとか、そういう向上心が元である。
でも、世に出す。それはとりあえずでも作品として形になったものだから。反応が来る。他者の需要と自分の需要はイコールでないことを知る。次に活かす。私にとってインターネットはこの繰り返しだ。
作品。私にとっては、絵だったり、漫画だったり、はたまた文だったり、詩だったり、短歌だったり。いろいろある。
絵と漫画には目標がある。簡単に、それをいつか自身の職にする、というものだ。それ以外には無い。でもなんとなく歌人にはなりたい。なりたいが、目標として掲げるには、自分の中では現実味が無い。
絵の話をする。幼少の頃から絵が好きで、ずっと絵を描いて生きてきた。逆に、それ以外のことはあまりしてこなかった。勉強とか。これは悔やんでいる。今からでも遅くない。そらそうだ。でも当時の無垢な私が学ぶことに今から学ぶこととは違う意義があったように思う。まあ、今から学ぶことにもそれとは違う意義がある。それはそうと、悔やんでいる。が、時は戻らないので諦めている。
文章も、あまり書いてこなかった。小学校の頃は好きだった。本の虫だった。本を読まなくなって、絵を描くことに没頭するようになってから、そのスキルは衰えたと思う。
考えていることや、気持ちを言葉にするようになったのも、最近のことだ。他者の気持ちを理解できるようになったのもわりと最近だ。
だから、私の短歌は拙いはずだ。もっと上手な言葉がきっとあると私は思う。好いてくれる人はありがとう。これは向上心の話だから、どうか一旦聞いて欲しい。私は私の短歌を拙いと思っているが、私も私の短歌は好きだ。
すごく昔、私の絵って素晴らしい、という話をしていたら、満足したらそこで止まっちゃうよと言葉が返ってきたことがある。正しいと思う。その言葉が出るのもわかる、なんせ下手だったから。でも私は私の絵に満足していたわけではなく、ただ今の絵も好きだという話がしたかった。
もっと上手くなれる。常にこれだ。満足する日はきっと来ない。創作物に対して、模索するのが好きだ。試行錯誤の日々が好きだ。その記録をつけるのも結構好きだし、見返すのも好きだ。
創作物に良いも悪いもなければ正解も不正解も無い。ただ、私はもっと上手くやれると思っている。ただそれだけの話である。
ーーー
・空を飛ぶ宇宙に行ける音が鳴るあなたのことを可能性と呼ぶ
簡単な短歌だなと思う。解説することもそんなに多くはないけど、なんとなく話してみたかったので書いてみる。
私は創作で空を飛びたがる。地上に留まるよりも自由な気がするからだ。ロマンでもある。美しい空を全部背負って駆けることが出来たら、どれだけ気持ち良いだろうと想像しては焦がれている。
宇宙にロマンを感じる。今だ、私たち人間の範疇では、知らないこと。分からないこと。実は他の生命体がいるかもしれないとか、綺麗な 星々も、恒星も、綺麗で見惚れてしまう。実はこれは畏怖なのかもしれない。それでも焦がれる。死ぬまでに月に行きたい。別に死んでからでもいい。
宇宙では音は鳴らない。震えるものがないから。それでも人類は、宇宙の、地球外の誰かに地球のことを知らせるために音楽を選んだ。
地球の外でも音楽が鳴れと夢を見る。音楽で世界は救われなくてもなにか通じ合うものがあれと願う。
全ては想像だ。妄想で、妄言で、現実味のない幻想だ。それが創作であると私は思う。
それを可能性と呼びたくて、この短歌を詠んだ。
ちょっと前に詠んだ短歌に、ここにある話のいくつかの要素が入っている。
・空飛びたい!いっぱい青を背負ってさ風になったらスキップしちゃお
・信じてる震える空気がなくたってなにかに震える心があると
創作の中ではロマンは自由だ。好きなだけ表現して良くて、そのロマンは、誰にも馬鹿にされるべきではない。
だから、創作を愛している。誰にも認められない世界を、誰かに笑われてしまうような世界を、愛しているのだと叫べるから。
ーーー
自分だけの星を欲している。ダジャレみたいだが、これは至極真面目な話なのだ。
安らぎの形は人それぞれだし、救いの形も人それぞれだから、この世にないなら作ればいいと思った。
人間の真似事をしている気分だと言葉にした。やってはいけないこともやるべきこともこうすれば誰かが喜ぶとかも、全部が全部打算でしかなくて、そこに私の本意はないのかもしれないと思った。だから、他の星から来たとかだったら良かったなと思ったのがこの話のきっかけだ。どこかに帰る場所があるなら、なにか目的のためにそうせざるを得ないなら、人間の真似事だって楽しいのかもしれないな、と。
ずっと帰る場所を欲している。暖かくて優しくて時に厳しくてもいつでも受け入れてくれるって信じられるような場所が欲しい。
自分の中に留めておくなら吐きたい言葉を吐いていいし、誰にでも邪魔されない創作があってもいい。頭の中は自由だから。私は自由だから。
死んだらそこに還り着きたいと祈る。これは、自分だけの宗教みたいなものなんだと思う。
目的を決めよう。何がいいかな。無難に侵略のため?
でも自分だけの星に他の人はいない。救いの中に他の人を入れると絶対的じゃなくなるから。私は侵略は望んでない。しいて言うなら、一人が寂しい。
じゃあ、交信のため。あるいは、学びのため。学びのためがそれらしいかも。勝手に発展した星の技術を行使して、観測した、地球という星の人間という生き物と交流したかった。いいじゃん。
帰る場所である星には何があるかな。花の枯れた花畑があるといいな。私が管理を怠っているから花も咲かないけど、いつか芽吹く日が来るんだ。私が自分の星の管理に興味を持ったから。
あとは、ポストがあるといいな。ポストがあるってことは家もあんのかな。もし私が先に死んだら、観測可能宇宙/うしかい座ボイド/座標零域/孤立恒星系アステリア/惑星碧海号まで手紙を送ってね。家でゆっくり読むよ。
家には簡単にノートとペンとインク、あとベットがあって、私は眠ることで旅をしている。もちろん、疲れたら旅をしないこともできる。そういう時は目を覚まして、ノートに向き合って記録したり、考え事をしたり、創作をしたりする。別に眠らなくても生きていけたらいい。帰ってきてしまえば、私はもう宇宙人で、地球の人間ではないのだから。
自分だけの星を作ろう死んだ時いつか迷子にならないように
私という醜い生き物それをただ受け止めてくれる揺り籠、が星
帰り着く星には何も無ければいい花とか咲かせられたことないし
思い出もなければいいなそれならば悲しみなんていらないからさ
欲しいのは住所、名義と眠りだけいつか書いてね、手紙、約束
無いものを、特に自分で創っている物を、ただ愚直に信じて生きるのは、世間一般的には多分ありえない話なんだろうなって思うけど、たまにそれを一緒にそうなんだって思ってくれる人と出会うと嬉しいよね。私は、これからも大丈夫になれるように、自分だけの星を自分だけの宗教にするんだと言って、いいね、と言われたのがただ嬉しかったんだ。
皆さんも自分だけの星を作ってみませんか。人間社会になじむのは大変だけど、宇宙には自分の還る場所があって、いつか星に帰れるかもしれないって思うだけで、私はちょっと楽になったから。普通に創作として出してくれたっていいよ。みんなはどんな星だったら住みたい?
私は、自分の星に好きなものを詰め込むことはしなかったけど、それは身軽でいたいからで、人によっては好きな物全部持って帰っちゃうのかもしれないなとか、想像するだけで楽しいので。気が向いたら教えてね。
ーーー
自分が落ち込みたい気分であるがためにこちらの強さを理由にしないでもらっていいか? とはずっと思ってるらしいよ
こちらにはこちらなりのそうなった理由があるわけじゃん 別になりたくてなった訳じゃないのよ私だって
慰められチヤホヤされたいのは勝手だけど人を勝手に悪者ポジに置かないでもらっていい? 私、あなたになんかしたかしら
なんかやわらかさを武器にしてて嫌ね〜って思っていま〜す!!!
それは優しさの搾取と何が違うんだ?
ーーー
可哀想であればあるほど人は味方をしてくれると知っているので意図的にそう見せているところはあるな、と思う。事実を曲げるのは嫌いだからそれだけはしてないつもり。だけど、だから、可哀想は侮辱だと言う人の心がよく分からないし、可哀想を武器にしなくても生きてこれたならいいことなんじゃない、って妬ましく思う時もある。
可哀想を武器にしないと全うに扱ってもらえなかったんだよな。私って賢いガキだから本当に苦しい時だって隠せちゃったし、馬鹿なガキだったから本当に苦しいんだってわからなかった。
同情して優しくしてね。私が欲しいのは常に優しさとか愛とかそういうものだからいつまでもこのまま可哀想を武器にするんだろうな、たとえ安くてもその場しのぎにはなるから。
こんなチラシの裏のらくがきに声を掛けてくれる方は、私が寂しいのは愛情とかそういうものを受け取る器が壊れているからであって別に愛されていないと思っているわけではないので、あまり気にしないでくださいね。それはそうと嬉しい。ありがとう。
言葉をかけて貰えるのは嬉しいよ。もっと素直に受けとって満足できたらいいのにね〜。
なんだかなあ、なんだかな。私が周りに愛されていることは知っているんだ。知っているけれども受け取れないんだ、よく分からなくて。形だけ受け取らせてもらっている。そういうものがあるという知識はあるけれど実感がなくてずっと怖い、よく分からないから。
でもそれをそうだとするとあなたの愛を否定してしまう気がしてもっとこわい。
暖かいものに触れるのは怖い。今までずっと冷たい場所にいたみたいな錯覚を覚えるから、それは知りたくない。知りたくないけど欲しい。だから可哀想を振りまいて軽い愛を受け取って満足している……。
届いてない訳では無いと思うんだ。確かに私はそれを暖かいものだと認識しているし、触れて受け入れようとしている。だから、たぶん、成長痛なんだよな……。
私も、それが愛かどうかはさておき、相手が受け取る/受け取らないのどちらを選んでもこの好意的な感情は変わらない、みたいな状態にはわりと覚えがあるから、向けることはできるんだよな。
向けることができるなら、私はたしかにそれを知っているのにな〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!! 難しいね。
ーーー
今日は打ち合わせがあったのだけれど、私の力不足であなたを燻らせてしまっている、と言われてしまってもう本当に申し訳なかった。そんなことはない。少なくとも無駄ではなかったので、どうかそんな風に自分を責めないで欲しいと思った。力不足はこちらも同じだ。
描きたいものと描けるものとそれはそうと好きなものはそれぞれ違うなと思うから仕方の無いことなのだろう、とも思う。いや、でも、本当に良い人だな……(しみじみ)
ーーー
らくがきで納得できるラインと「絵」として認められる(納得できる)ラインは全然違うよね〜みたいな話をした。自分で言っておいてめちゃくちゃ納得したので日記に書いちゃう。ボツになった絵もらくがきとしてなら悪くないなって思うし……。
でもその分らくがきがお絵描きにカウントされてなくて毎日最近お絵描きしてないなあって思う。らくがきだけなら毎日描いてるから全然嘘だ。私は自分が納得できるものを描くことをお絵描きと呼んでいるんだろうな。もっと描きたいですね……。
ーーー
今日は一日何もしなかった。嘘。お絵描きをしながらちょっと人と喋って遊びの予定を立てた。絵を描けるのも人と遊べるのもなんだか嬉しい。なんだか嬉しいから、買ってきたバゲットをこんな深夜に食べてしまった。初めて食べるマーマレードはあんまり口には合わなかった。踊り出したいような喜びがその残念さを上回っていて、マーマレードを初めて食べたのが今日で良かったと思った。
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プリティーリズム・オーロラドリームで育ったから「ママやパパには内緒で」の概念がとても好きだ。だからフィクションでまで子供は大人が守るべきものだと言われるとウーンと思う。それってとっても窮屈だ。立派な大人という概念に偶像みを感じている、そんなものはどこにも存在しないというのにSNSではそればかりを追い求められていて大人って窮屈だなと子供みたいに思う。本当に自分がそれになれると思っているんだろうか。大人として完璧であれると思っているんだろうか。自分が出来ないことは人に強制しないと小さい頃躾られたのを思い出したりとかする。正しいがあれは過度だったと思う。
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嫌な事ばかりが言葉になる、自分がされて嬉しいことはあんまり言葉にならないのに
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これはなんか見たの文章です。
SNSの一部の人々って、親という存在を万能だと思い過ぎているなあとおすすめタイムラインを見ながら思ったので、書き出してみる。
みんなは忘れてしまったかもしれないが、親というものも自分達と同じ人間だ。強いて言うなら、自分たちよりちょっと大人なだけだ。大人だからそうあるべき? であれば言葉を変えよう。子供の延長線にあるのが大人だ。私たちと同じように、彼らもまた子供だった。私たちと同じ物質で出来ていて、同じよう中身を持っている、同じ生命体だ。
自分が親になることを想像してみて欲しい。私は、言うことを聞かない子供を怒鳴りつけない自信はないし、不登校になった子供に笑って接することが出来るかも分からないし、突然八つ当たりをされたらこちらも何かをぶつけてしまいそうだ。
しかも、それだけ頑張って何にもならないのだ。形に見える成長は子供が大人になるだけ。
考えてもみてほしい。そうやって育てた子供に嫌われたり、心無い言葉を投げつけられたり、SNSでああだこうだと言われたりする親の気持ちを。
補足するが、もちろん虐待は良くない。子供を産む以上それを保護し生かす責任が伴うのは事実であるから、そういう話は今はしてない。
私たちは子供の時、言葉を知らないから親になにかを伝える術を持たない。あれが嫌だったな、これが嫌だったな。こうすればよかった、ああすればよかった、など、不満はもちろん沢山あると思う。私もある。でも何も考えずにこちらの不満ばかりをぶつけるのは、子供から成長出来ていないのではないか思う。
家族だから理解して当然、という言説があるが、あれは幻想だ。家族とて別個体。言葉にしなければ伝わらないことは伝わらない。
親は、きっと、それでも愛していたつもりなんだ。家族として、あなたの成長のためになにかをしてくれたなら。それがこちらにとって良くなかったとしても、愛していたつもりだったのだろうという事実だけは認めてやってくれないか。
親は職業ではないんだ。これらを無給でやっているんだ。家族だからって見放されない訳じゃない。
もちろん、親が完全に悪いパターンもあるだろうが……。
親も一人の人間だ。自分と同じで、間違いだらけで、それでも上手く生きようとしているだけの、ただ一人の人間だ。
私たちと彼らは、生まれてきた時代が違うから、分かり合えないこともあるかもしれない。考えることも、感じてきたことも違うから、話しても仕方ないかもしれない。
でもせめて、話し合う心持ちを持って欲しい。なんのために言葉があると思ってるんだ。
親はあなたを育てる為だけに作られた万能な装置じゃない。覚えて帰ってくれ。
ーーー
私が誰かに愛されるために見せる形を変えなければならなかったことが許される環境が目に見えるところにお出しされて不快なんだろうな
でもこれってあくまで許容であって受容ではないと思うからいつか離れていく人間関係に過ぎないんだと思うよ
人に優しくできない、もう、誰にも
出来ないことを出来ないからと諦めるな それを認めてくれるな 私がやってきた血のにじむような努力が否定された気になるから良くない
全部が言葉になってしまった 見えるようになってしまったんだよ
ーーー
人によっては厳しい話かもしれないから、落ち込んでいる自覚がある人は読まない方が良いです。誰かや何かの悪口とかでは決してない。
これは私が知った現実の話でしかないから、あなたの周りは違うかもしれないし、必ずしも全てが当てはまる訳では無いと思って読んでね。
傷ついた時、私たちは他人に救いを求めてしまうけど、それに完璧に寄り添ってくれる他人は多少無茶していることが多いな、と思っています。
人が傷つくのには沢山の理由があるな、と思っています。自分にも、相手にも。傷つける側にも事情はあるし、思ってることもあるし、そうなるに至った環境がある。逆に、傷つけられる側にも事情があって、思ってることがあって、環境がある。だからこそ、それらが噛み合わなかった時に双方に傷が生じるな、と思っていて、だからこそ、傷つくのは確かにあなたのせいでは無い、と言えます。
でも逆に、100%傷つけた誰かのせいであるか、と言われたら、そうではない、と思うんです。
生きていく上で、自我というのは環境やそれまで受けてきた扱いで変化します。そこから理性が育ち、それが何を選びとるかが揺れるから私たちはそれぞれ違う思考を持ちます。
極端な話。例えば、家族から虐待を受けていた子供が、親を害することがあったとして、この場合は子供は100%の悪か、と言われたら、そうではない、と言えると思います。
では、家族は? もしかしたら、何らかの理由でその家族にも余裕がなかったかもしれません。
こんなに極端ではなくても、世の中の悪意は全てこういうものだと思っていて、相手を100%の悪にはしてはいけない、と私は思っています。もちろん、こちらを害することはこちらにとって良くないことなので、それに怒りを覚えたり、その後の扱いを考えたりは勝手にしたらいいですが、それでも相手は100%の悪では無いと知っておいた方が良い、と思います。
話を戻します。これは昔、私が知ってしまった事なのですが、例え自分がどれだけ傷ついて、どれだけ壊れてしまっても、その傷の責任の所在は相手にも自分にもないことを、知ってしまいました。
そうなった時、自分の尻を拭けるのが自分だけだった。自分を守るのは自分だけで、自分の人生とかいうものの責任を取れるのも、自分だけでした。
そして、他人に救いを求めるのは、他人に自分の尻拭いをさせていることに他ならない、と考えます。
多少誰かに慰めてもらう。話を聞いてもらう。結構です。素晴らしい交友関係があって良いと思います。でも、そればかりが気持ちよくなっては、良くない。それは依存と近い。
依存してはいけないの? と思われるかたがいるかもしれませんが、双方が同じだけ寄りかかって、ずっと一緒に生きていく、というのは本当に、とても難しいです。どれだけ言葉を尽くしても。
どうしてもそのバランスは崩れてしまう。依存し合うほど気が合って仲良くできる友人を、簡単に無くすことになる。
だから最初からそうでない方が良い、というのが、私の人生経験からの結論です。
なんとなく、そういう危うさを感じる方がサーバーに多くて、でも面と向かっては言葉にしにくくて、がーっと書き出してみましたが、これがなにかの思考の参考になればいいなと思うばかりです。
同じ答えでなくてもいいので、もし、気が向いたら思考を共有してください。
ただ、私と同じように傷ついて、ひとりぼっちで耐えるこどもが減るように、という思いで書きました。
サーバーに書いたように、これは私が知った現実の話でしかないから、あなたの周りは違うかもしれないし、必ずしも全てが当てはまる訳では無いと思って読んでね。デカキスやね。あなたのすこやかな安寧を祈ってるよ。
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小話 3353文字
リアムは、シーアのことが好きだった。
理由は自分でもよく分からない。でも、祖父が言ったように、女の子は守られるべきもので、男の子よりも弱くて、という思い込みの全てを覆したのが、シーアだった。
全てがひっくり返されたのが、あまりにも鮮烈だったのだ。もちろんその分悔しくて、腹立たしくて、でも目が離せなかった。
ことある事に理由をつけてシーアをからかった。勝負を挑んだ。時には意地悪もした。今思うと、どうにかシーアの気を引きたくて必死だったのだと思う。
そうしてシーアのことを視線で追っていると、気付けばすぐ側にマシューがいた。
なんだこいつ。
第一印象はそんなもの。しばらく付き合ってみて、賢いがなよなよしいやつ、という印象に変わって、それで、気付いたことがあった。
彼の視線の先には、いつだってシーアとサーヤが居るのだ。
もしかして。
もしかして、こいつもシーアのことが好きなのか?
そんな疑念を抱き始めたある日、マシューと二人で話す機会があった。たまたまお互い、シーアとサーヤを待っているだけの、とても短い時間だった。
「……あのさ」
先に切り出したのはマシューだった。
「リアムくんって、好きな子いる?」
「っはァ!?」
急な切り出しにギョッとしたリアムは思わず咳き込んだ。そんなリアムを気にも止めずにマシューは続ける。
「僕は居るよ。好きな子」
「……なんだよ、急に。意味わかんねえ」
マシューはじ、としばらくこちらを観察してから目を逸らした。
「別に。好きなわけじゃないならいいんだ」
まさか。
まさかこいつ、本当にシーアのことが好きなのか!?
何かを言おうか悩んだまま何も言えずにいると、あっさりとシーアとサーヤが戻ってきて、それ以上をリアムが口にすることは叶わなかった。
それから。
リアムが話し掛けようとするとマシューが先に二人と話していた。マシューは頭が良かった。頭の良さではリアムも負けてはいなかったが、それでもマシューが居る時は本当にやりづらかった。
「クソ、なんだよ、あいつ……」
なんだか酷くモヤモヤして仕方なかった。苛立ちの正体も分からないまま、湖に石を放り込む。
むすくれたまま、横になる。外で横になるのが好きだったが、祖母にはそれでよく怒られていた。なんでも、洗濯が大変だ、とか。
いいだろ、少しくらい。特に、今日くらいは、と頭の中で言い訳をしながら目を瞑る。
瞼で光の阻害された視界が、さらに暗くなった気がして、次に目を開けた時、目の前にシーアがいた。
「は、」
「なにしてるの?」
リアムを覗き込んだシーアの隣にサーヤはいなかった。珍しいこともあるもんだと思いながら体を起こす。
「別に。サーヤは?」
「知らない。私よりマシューが良いみたいなの」
そんなわけないだろ、とリアムは思った。今頃必死になって探していることだろう。でも、言わなかった。
「拗ねてんのか、ガキくせー」
「うるさいわね」
リアムの口からは揶揄う言葉しか出てこない。違う。そうじゃなくて。焦って黙りこくったリアムにシーアが追撃をした。
「別に、ガキでいいわよ。寂しいものは寂しいもの」
こういう時、素直にそう言えるシーアのことが羨ましかった。リアムは少し黙って、目を伏せて答えた。
「ま、分からんでもないよ」
「あら」
秒速で素直に答えたことに後悔した。シーアの瞳が好奇心で輝く。
「リアムもそういうことあるのね!」
「は? 別にいいだろ」
「悪いとは言ってないでしょ。もう、どうしてそうなるのかしら」
拗ねたようにシーアが言う。そういう性格で悪かったな、とリアムは思った。
「寝転ぶの、好きなの?」
気を取り直して、シーアが問う。一瞬、なんのことかわからなくて、言葉に詰まった。シーアが補足する。
「ほら、さっきまで寝転んでたじゃない」
「……あ〜」
好きかと言われたら、好きだが。
「服が汚れるぞ」
「つまらないことを言うのね! 服が汚れたら洗濯を手伝えばいいのよ」
なるほど、確かに。それはナイスアイデアだと思うと同時、何であれやっぱりシーアに負けるのは悔しかった。
「……じゃ、寝転んでみたら」
それだけ言葉を絞り出して、自分も寝転んで目を瞑った。今は黙っていた方が良い気がした。
「……マシューったら、酷いのよ」
寝転がってしばらく、シーアがぼやく。目を開けてシーアの方を見れば、シーアはこちらに背を向けていた。
「サーヤのこと、取って行っちゃうんだもの。私、サーヤはずっと一緒にいてくれるものだと思っていたわ」
リアムはそれを黙って聞くことにした。
「でも、歳は変わらなくても、私はお姉ちゃんだもの。妹が私から離れるからって寂しくて泣かないのよ」
弱音だ、と思った。シーアが弱音を吐くことも、自分に弱音を吐いたことも、全てが意外で、リアムは少しだけ困った。
「……別に、泣けばいいんじゃねえの」
しばらくして、リアムはようやくそう返した。リアムの家は上に兄がいるくらいで、下の子は居ないから、その感覚は分からなかった。
「泣くだけ泣いて、スッキリしてから送り出すでいいんじゃねえの。まあ、あいつがお前のことほっぽり出すとは全く思えねえけどな」
シーアはしばらく黙っていた。泣いているのかもしれない、と思ったが、別に何もしなかった。
「リアムって、こういう時は優しいのね」
「こういう時はってなんだよ!」
「そう思うなら日頃の行いを鑑みるべきだわ」
ぐぬぬ。分かりやすく悔しがってみせると、シーアは楽しげに笑い声を上げた。良かった、と少しだけ安堵していれば、サーヤの声が遠くから聞こえてきた。
「ほら、探されてるぞ」
「ええ〜」
「さっさと行けよ。マシューだって待ってるだろ」
「マシューはサーヤのことばかりだもの」
つまらないわ、とシーアは不貞腐れた。
その言葉を聞いて、ようやく辻褄があった。そうか、マシューはシーアじゃなくてサーヤが好きだったのか。
「じゃあ余計な牽制じゃねえか……」
リアムがぼやいたのを聞き返されるより前に、サーヤがシーアを見つけた。
「シーア!」
「……サーヤ」
シーアの目元は少しだけ赤くなっていて、サーヤはリアムをじと、と睨んだ。
「何話してたの」
「言っとくけど泣かせたのはお前だからな」
俺じゃねえよとリアムはしっしっと手を振った。サーヤはまるで信じていないみたいな顔をしてシーアに向き直る。
「あのね、サーヤ。私、サーヤがマシューに取られちゃうんじゃないかって、寂しくなっちゃったの。でも、本当にそれだけなのよ」
「シーア……」
シーアは、大丈夫よ、と笑ってみせた。それが強がりだというのがリアムにも分かった。サーヤはシーアを抱きしめた。
「シーア、ごめんね。ぼくも、シーアが誰かに取られたら寂しいよ」
シーアとサーヤはとっくに二人の世界に入っていたので、リアムは邪魔にならないようにそそくさと退散することにした。ふと、サーヤを追いかけたきたのであろうマシューと目が合った。
「……お前」
「あはは。シーアさんには勝てなかったよ」
分かりやすく落胆した様子のマシューを連れて、適当な場所に座る。
「お前が好きなのって、サーヤの方?」
「……そうだよ」
「ふうん」
やっぱりそうか。納得したように頷くリアムを見て、マシューも気付いたようだった。
「もしかして、君が好きなのって……」
「……言うなよ」
「そ、そっか! 僕ったら勘違いしちゃった、ごめんね」
安心したようにマシューは困り笑いをした。リアムは、まあ、とか、別に、とか、そんなことをモゴモゴと返した。
それならさ、とマシューは続ける。
「共同戦線を張らない?」
「は?」
「僕はサーヤさんが好き。君はシーアさんが好き。お互いがお互い協力すればウィンウィンだなって」
「お前なあ……」
じと、としたリアムの視線を受け流して、マシューはあっさりと笑った。
「だって、僕はサーヤさんを取られたくないよ」
君は違うの? 問われてから考える。シーアが、他の誰かと? ――そんなことあるか? そもそもシーアが誰かと付き合うという選択肢を取ることが想像できなかった。
「ほら、僕みたいなのがまた現れないとも限らないでしょ」
追撃。リアムはそれで納得した。
「それは嫌だな……」
「おっ、素直」
「どっちかって言うとお前の存在が嫌だったんだよ」
「あはは」
じゃあ、よろしくね、とマシューが手を差し出す。リアムはその手を取ることにした。
「ところで君、名前なんて言うの?」
「マジか、お前」
その日から、マシューの印象は絶対敵に回したくないやつ、だ。
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